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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第241話 不穏な影
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 2026年 1月8日(水)


 世間一般的に言えば、学校の冬休み最後の日。
 長い冬の休みを終わりを感じさせるその日は、明日から始まる学業に気を引き締める者がいたり、気持ちを新たに持つ者がいたり……、勿論、少々げんなりとしてしまったりする者がいたりする事だろう。

 そして、自分自身に当てはまるのは間違いなく……、『新しい何かが始まる』と言う実感だった。

「あれ? リュウキくん、どうしたの?」

 宿屋を出た10人は、そのまま常夜の空を飛び立っていた。
 夜の空を、数多の輝きを放ちながら空を泳ぐ姿は、本当に絵になる。レイナもそれは感じていた。夜の空を飛ぶ事自体があまり多くないから、と言う事もあるだろう。ふと、隣を並んで飛ぶリュウキの顔を見たら、なんだか気になった様だ。物思いにふけた姿を見て。

「ん――? ああ、ただ 楽しみなだけ、だよ。レイナも同じだろう? ……これからの事」
「あ、うんっ! そーだね。判るよっ」

 レイナもにこりと笑った。
 現実世界ででは、本当に色々とあったレイナだったけれど、今日の冒険に対しては心が陰る事は無かった。憂さ晴らし、と言う気持ちは少なからずある様子だけど、それよりも純粋に、このメンバーと新たな冒険を、前人未到の挑戦をする事への楽しみのほうが大きい様だ。

 リュウキは、レイナの表情を見て、軽く笑顔を向けた。

――大丈夫……だな。

 陰りがあったのは、今までで何度か見てきたリュウキ。
 だけど、今のレイナはいつものレイナ。……屈託のない笑顔を見せているレイナだったから安心出来た。
 そして、今度は前をゆくメンバー達に目を向ける。

 デュエルで手合わせをしたラン、戦いを見たユウキ。その2人は勿論の事だが、その他のメンバー達も本当に遜色ない滑らかな飛びっぷりだ。
 ここALOでの一番の売りだと言っていい《空を飛べる》と言う点。確かにその通りだが、相性にもよるが、非常に練度が必要であると一部では有名だ。
 だが、スリーピングナイツのメンバー達は一切乱れる事なく、ちょっとした仕草同様、まるで違和感がない。コンバートしたてである、と言う事を踏まえたら、やはり驚嘆だ。

 隼人が、リュウキになり、現実で様々な経験をし続け、年月を重ねた結果、この様な形を成した。

 恐らくは、皆も同じ様に……特殊な何かを持っているのだろう、とリュウキは想像できた。だけど、それはリュウキにとっては決して初めてではない。彼の身内で言えば、まず間違いなくキリトはその内の1人であり、謙遜はしているもののレイナだって、アスナだった十分そうだ。フルダイブ技術への親和性、とでも言える。
 でも、幾ら初めてではないとはいえ、それ程のメンバーが7人も揃ってこのALOにやってきた、と言
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