第1章 スタンダード次元篇
ペンデュラム召喚
第2話 フィールドに轟く咆哮 フレア・キャノン・スカーレット・ドラグーン
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さま、アクションデュエルのだいたいの正体を掴み始めていた。
『おぉっとぉ! あの城の上に現れたのはぁ──』
城の上に、一人の男が降り立つ。
『この三年間、アクションデュエルの頂点に君臨し続ける最強王者! ストロング石島だァァァ!』
「ウオォォオオオオオオオッ!」
チャンピオン、ストロング石島が雄叫びをあげる。まるで、ライオンが自分は王者だと知らしめるかのように。
『その最強王者に挑むのは、若き挑戦者、榊遊矢!』
「待ってましたぁぁぁッ!」
遊矢の登場に修造が声をあげるが、すぐに静寂が訪れる。いや、修造だけでなく、スタジアム全体が静寂に包まれていた。
理由は──。
『ゆ、遊矢くん!? どぉぉこぉぉぉっ!?』
挑戦者である遊矢が、スタジアムに現れなかったからである。
「なんだ、逃げたのか?」
「これじゃ、三年前の親父と一緒じゃねえか」
「親子揃って、『卑怯者』だ」
観客の中で、遊矢を罵倒する声があがる。
「ちょっと!」
「やめろ、柚子」
遊矢を罵倒した観客に柚子が物申そうとするが、権現坂によって制止させられる。
「だって!?」
それでも、柚子は退こうとはしなかった。
その姿から遊矢とはおそらく、友達、仲間のような関係なんだと、龍牙は思った。だから、その遊矢への罵倒が許せない。
そして、そんな柚子を落ち着けるため、龍牙は言う。
「心配すんなよ。あいつは、遊矢はちゃんと来るよ」
「え?」
「なに?」
突然の龍牙の言葉に、柚子も権現坂も怪訝な表情を作る。
「おまえは誰だ? なぜ遊矢を知っている」
「ちょっとした知り合いだよ──つい先日会ったばかりだけどな」
「なぜ、そう言いきれるんだ?」
修造が龍牙に問う。そこまで遊矢のことを知っているわけではないのに、なぜそう言いきれるのかと。
「あいつの決意を知っているからだよ」
先日の遊矢の決意、あれは本気で真剣なものだと、龍牙は感じていた。だから、遊矢は絶対に逃げ出さないと確信できていた。
「てか、ほら。ちゃんと来てるじゃん」
「えっ!」
「「なにっ!」」
龍牙はあるところを指さす。
その指の先には、チャンピオンのストロング石島がおり──。
「あれは?」
そのストロング石島の後ろにピエロの格好をした少年がいた。
「まさか、あのピエロ?」
観客もピエロの少年に気づく。
「何あれ?」
「ピエロ?」
「チャンピオン! 後ろ!」
「「「後ろだ! 後ろ後ろ!」」」
観客の言葉に怪訝に思ったストロング石島は後ろに振り向く。
「うぉっ!?」
振り向いたら、いきなりピエロが
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