宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 2
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だったら准将。イスカンダルまで行って帰って来れば宙将だったか。ちぇっ、准将から宙将になれば年金も退役金も跳ね上がるのに。帰ってきてもしばらくは軍人生活か。そんなふうにグダグダしているとまた一人、ブリッジ要員が現れる。
「艦長は何処に?」
あ〜、完全に余裕が無い目をしてやがるな。メンタルに注意しておかないといけないな。
「艦長なら上の艦長室にいるよ。何か用があるなら時間があるうちに済ませておけ」
そう告げると何も言わずに艦長室へと上がる階段に向かう。
「良いんですか、あれ?」
「実戦経験の無い奴によく見られる光景だ。一々怒ってられないな。それに、人間味があって良いじゃないか」
「年寄りくさいですよ、副長」
「実際航空科の中じゃ、年寄りだよ瀬川君」
航空科の中じゃあ、オレより年上なんていないぞ。
「お二人とも随分と余裕なんですね。不安はないんですか?」
「上が動揺すると下にも伝播するだろう?まあ、あまり長いこと戦場にいるせいで擦り切れたのかもしれないがな。不安といえばO.M.C.Sの酒の味がどんなものかぐらいだな」
「私は副長のことを信頼していますから。死んだら、まあ、運がなかったと諦めますよ。メ号作戦でフソウに乗っていた者は大体そう思っているはずですよ。不安は副長の将来設計ですかね?貯金とか資産とか全部つぎ込んで酒をどこからともかく買い込んできましたから」
「航海に不安はないんですか」
「「なるようにしかならん」なりませんね」
オレと瀬川君の言葉に唖然とする森君。土方宙将にも言われたけど、この死生観はやっぱりおかしいのかね?それからしばらくして航海長の島君や通信士の相原君がやってくる。そして先程よりはマシな顔つきになった古代君が降りてきた。
「あの、先程は失礼しました。戦術長を務めます古代進一等宙尉です」
「気にするな。各セクションのリーダーに新人が多いが、艦長やオレみたいなベテランに、補佐の瀬川君みたいに修羅場をくぐり抜けたのもいる。不安とか色々あるだろうが、すぐに相談しろ。おっと、自己紹介がまだだったな、副長の永井大樹一等宙佐だ。よろしく」
「よろしくお願いします」
「戦闘時は大まかな指示は飛ばすから細かい部分を詰めてくれ。それと量産が間に合わなかったコスモゼロの試作機が2機回されてきている。1号機の方は君が使うと良い。2号機は予備機として置いておく」
「分かりました。ところで気になったのですが、航空科の常装ですよね」
「元は航空科所属だったんだがな。土方宙将に無理矢理艦長職に回されて、今度は副長に回されたんだよ。職権乱用でハヤブサの予備機にオレの改造ハヤブサを突っ込んだがな。本当に追い詰められたらオレも飛ぶことになるだろうよ」
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