第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#20
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE] 〜Third Impact〜
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やかな気流に靡く髪と決意に充ち溢れた瞳。
少女の心中を占めるのは燃え盛る使命感でも煮え滾る闘争心でもなく、
ただ一つの純粋な 「感謝」 であった。
「ありがと、承太郎……」
幾重にも渦巻いて自分を覆っている鎖、
ソレがそのまま彼に包み込まれているような温もりを覚えさせる。
「ありがと、ありがと、本当に、ありがとう」
ソレしか云う言葉が、みつからない。
別の言葉に置き換えても、何の違和感もない。
遠く離れていても、近くに感じている。
例え触れ合う事が出来なくても、心はずっと繋がってる。
目の前で次なる術を撃ち出そうとする二人を遠く見つめ、
シャナを取り巻く鎖は半分以下に収縮、
描く軌跡も球から頭上の輪へと換わった。
鉄壁の防御はあくまで勝利の為、
炎弾の高熱を弾き返した力は既に鎖の内部へと存分に撓め込んである。
掴みを残して、やがて灼煉の色彩を灯す黄金長鎖。
“攻撃は最大の防御” 然り転じて 『防御こそ最大の攻撃』
鉄壁の包囲網を如何に攻略するかと試みる相手の虚を衝く、攻防一体の戦陣。
繰り出されるは他の武器だが、本来愛刀を介して射出される業故に
こう呼ばせて戴こう。
疾風閃迅。融空の灼牙。
『贄殿遮那・火車ノ太刀/熔斗』
遣い手−空条 シャナ
破壊力−A+++ スピード−A++ 射程距離−A+++
持続力−C 精密動作性−B 成長性−C
左肩口を前に、やや仰け反って投擲体勢に入った “車の構え” から、
体幹の捻りを加えた膂力と共に撃ち出される飛斬月。
「オッッッッラアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ――――――――――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!」
総数三千廻転以上の遠心力で加速された黄金長鎖の月輪は、
猛烈な火噴きを鳴動し死界への扉を開いた。
「くぅっ――!!」
「ひゃっ――!?」
意識の虚を突かれたとはいえそこは一流の遣い手、
初見の業でも木偶のように直撃コトはなく
ソラトは跳躍、ティリエルは蔓を織り込んだ柵で月輪に対応する。
が。
グァジュヴァアアアァァァァッッッッッッ!!!!!!
天賦の才で回避したソラトとは裏腹に、
ティリエルの展開した防御網(植物特有の弾性により宝具の一撃すら防ぎきる)は
内部の水分ごと灰も残さず蒸発した。
そして、無論、遮蔽物なき煉灼の月輪は、
そのまま瞠る眦も上がっていない少女の躰を、
微塵の容赦もなく穂揃殺ぐ。
「ぁ――」
可憐なる肢体、その惨状をティリエルが認識する間なく
視界は炎で真紅く染まった。
「ティリエル!!」
打ち棄てら
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