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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#20
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE] 〜Third Impact〜
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 シュドナイと猛禽のような眼をした男は、
船内でも衝突を繰り返していたが
今ではどこかソレを楽しんでいるような様子だった。
 立場や考え、種族は違えど同じ目的の為に集まった者。
 ソレを 『仲間』 と呼ぶにはまだどこか気恥ずかしいが、
その内気にもならなくなるのだろう。
 意図して、意識して構築するのではなく気がつけばソコに在るモノ。
 ソレを 『絆』 と云うのだと、二人が気づくのはごく、 




“待・てッッ!!”




「――ッ!」
「わぁッ!?」
 実際に声が聴こえたわけではないが、
ソラト、ティリエルの心中に走った感覚は同じだった。
 まるで背後から伸びてきた紅蓮の巨腕(かいな)が、
自分達を鷲掴みにしたような脅嚇だった。
 背後で燃え盛る炎の繭、見かけは大形だが元々単体滅殺型の焔儀の為、
標的が焼け散るに合わせて収縮していかねばならない筈。
 だが背後の繭は逆にどんどん膨張し始めていた。
 まるで、自分達を脅かすナニカが内部で誕生しようとしているように。
 グワッ! という旋風と共に、繭の表面が乱雑に剥がれ
炎熱で充たされた地獄窯の内部が剥き出しになる。
 その中央で見据えるは、周囲の高熱をものともしない強さで煌めく二つの真紅。
 夥しい量の炎弾に素肌は疎か纏った黒衣を灼かれる事もなく、
端然と宙に浮く紅蓮の少女だった。 
(こ、の――ッ!)
 無論驚愕、しかしそれ以上何かを邪魔されたように
感じたティリエルが炎流を放出したのとほぼ同時、
大剣を構えたソラトが一足飛びに半壊した繭の中心に迫る。
 しか、し。



 バァジイイイイィィィィィッッッッッッ!!!!!!



 邪なモノ、全て拒む聖なる結界で在るかのように、
焔儀と剣撃、その二つは目標の遙か外側で弾かれた。
 そして渦巻く旋風と共に炎の繭を一挙に吹き飛ばしたその 「正体」 が、
両者の眼前に姿を現す。




 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!



 紅蓮の少女が手にしたモノは、封絶の中で一際煌めく黄金の鎖。
 手 甲(プロテクター) 代わりに先刻までは左腕に巻き付けていたものであるが、
今は螺旋状に廻転して周囲を覆い鉄壁の防御幕を形成している。
 事前に編み込んだ物質強化、変化の自在法。
 対象の強度を上げ、その長さを引き延ばすだけの単純なモノだが、
少女の技量を考えればコレで充分。
 元より何かを繋ぎ止める存在の鎖は、
文字通りシャナの命を繋ぎ留め絶対の窮地から彼女を救った。
 華麗極まる黄金円陣(サークル)、その中心部、

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