第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#20
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE] 〜Third Impact〜
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り口唇の端に銜える。
同様に自分も色濃いフィルターを銜えながら、
五芒星のライターで火を点けた。
嵐の前の静けさ、極度に張り詰めた冷冽な緊張感の中で紫煙が棚引く。
「オレは、空条 承太郎。
スタンドは近距離パワー型スタンド、
『星 の 白 金』 」
「オレは紅世の王、仮面舞踏会が 『三 柱 臣』 の一人、
“千変” シュドナイ」
紫煙を細く吹き出しながら男は余裕でも侮蔑でもない、
もっと危険なナニカを滲ませてそう告げた。
シャナとアラストールから聞かされていた事象、
その存在の重大さに驚きは有ったが承太郎は敢えてソレを黙殺した。
例えどこの何者であろうと、この男が只者でない事は充分に解る。
それ以前、男の戦いにその世界に、肩書きや称号など何の意味もない事を
彼は熟知していた。
ジリジリと焦げるフィルターに反比例して、
二人の躯から発せられる闘気に空間が湾曲し始める。
最早、否、最初から、言葉は要らない。
出逢うべき定め、戦うべき運命、
初めての邂逅にも関わらず互いの事を識っているような
感覚が二人を充たしていた。
やがて根本まで灰になった煙草が指先で弾かれ、
赤い円周を描きながら同時に落ちる。
その、刹、那!
「オッッッッラアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「ウオラアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!!!」
喚声と咆哮。
集束した光を宿したスタンドの星拳と、
一瞬で猛獣への変貌を遂げた異形の魔拳が
燃え盛る空間で交差した。
【2】
「はあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」
時を同じく、黄霞舞い散る封絶の中心部で、凛冽なる少女の喊声が鳴り響いた。
紅き瞳の迫る眼前、鞭のように撓った蔓の束が空を引き裂いて襲い掛かる。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラアアアアアアアア
アアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
しかし空間を灼き刻む無数の斬閃、
明鏡なる刀身を覆った紅蓮の炎が
刃の殺傷力を裡に秘め、幻想の鞭打を千切り飛ばす。
「――ッ!」
通常、強い再生力を持つ能力はその切れ味が鋭い程、
返って修復し易いモノだがこの場合は切断面に炎が燃え移り、
ジワジワと内部を焼き焦がしていくため遂行が覚束ない。
灼き裂かれて動作が微弱となった蔓を足場に、
炎霞の大刀を斜に構えて術者へと迫るフレイムヘイズ。
「こっち」
言われるよりも速く視線を巡らせていた少女の左側面に、
華美な甲冑を纏った少年が既に大剣を振り下ろしていた。
ガギィィィィ
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