第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#20
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE] 〜Third Impact〜
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てるか?」
「はい、大体ですけど。
ライトちゃんは眼が良いから間違ってないと想います」
本当はその場所を目指せば承太郎なりジョセフなりと合流出来ると想って
向かっていたのだが、それは言わないでおく。
「よし。ならおまえは、これからソコに向かって、
その場所にある 「何か」 を破壊してくれ。
アレだけの仕掛け、位置さえ間違わなければ一目瞭然だろう」
「……」
何の為に? ソレ以上 『誰の為』 に?
予期せず生じた疑念に、少女は数秒沈黙した。
「無理か? 確かにメチャクチャ言ってる。
だがいま、吉田、おまえしか頼めるヤツがいねぇ」
「――ッ!」
そのたった一言が、少女の胸に熱をもたらせた。
憂うように見つめられたライトグリーンの瞳。
失望とか不安とか蔑む色は無く、
自分に “頼んでしまうコト自体に”
大きな悔いを残している、そんな表情。
ふと、温かくも強烈な何かが心中に湧いた。
そんな大それた事など思考の片隅にすら浮かべた事はないが、
そんな顔をする彼を 「護ってあげたい」 と偽りなく想えた。
「わかり、ました。詳しくは聞きません。
でも、大事な事、なんですね」
「あぁ、“アレ” が在る限り、オレ達はヤツ等に勝てねぇ。
オレを行かせる為にいまシャナのヤツが一人で踏ん張ってる。
ソレを無駄にするわけにはいかねぇ」
「一つ、条件があります」
今はその子の名前を出して欲しくなかったが、
此処にいない彼女へ対抗するように吉田は告げた。
「わたしの事、 “一美” って呼んでもらえますか?
特に意味はないですけど、アナタにはそう呼んで欲しいんです」
以前の消極的な彼女の性格からは、想像も出来ない積極性。
しかしスタンド能力に目覚めた事により、
決意と共に一つの戦いを勝ち抜いた事により、
それらの経験が一人の少女をこの短期間で急激に 「成長」 させていた。
「……あのヤローをブッ倒したらオレも手伝う。
「罠」 が有るかもしれねーから気をつけろよ、一美」
「はいッ!」
内気で怯えていたアノ時は違う、大輪の花が咲き誇るような笑顔。
コレから始まる壮絶な死闘を前に、
意図せず微笑が浮かぶのを承太郎は感じた。
即座に踵を返し、民族衣装を揺らしながら
細長い路地へと(ダークスーツの隣を通るほどマヌケではない)
駆けていく少女。
男の視線が微かに動いたのを感じると同時に、
承太郎はスタープラチナと共にその眼前へと移動していた。
「悪ィな、待たせたか?」
先刻の不意打ち (男の方は挨拶代わりだろうが) は不問とし、
承太郎は制服の内ポケットから出した煙草のパッケージ、
その中から一本振って男へ差し向けた。
「フン」
男は不敵な笑みを浮かべたままそれを取
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