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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#20
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE] 〜Third Impact〜
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に、どこが胴体で脚かも解らぬ黒い凝塊(カタマリ)から、
それぞれ異なる貌を千以上突き出した、魔獣とも云えぬナニカが蠢いていた。
 だが、それらは開ける視界と同時に否定される。
 そこには、長身で大柄な体躯をした一人の男がいるのみ。
 瞳の映らない漆黒のサングラスと、
イタリアギャング幹部のようなダークスーツ。
 存在感、印象値共に傑出した風貌だが、
先刻視た幻 覚(ヴィジョン)は男の全身から発せられる
異様な脅威に拠るモノだと二人の 『スタンド使い』 は同時に理解した。
「……アイツ、ヤベェな。
どんな 『能力』 かは解らねぇが、
今まで戦ってきた(ヤツ)とは格が違う……!」
「本当、に。ただ見てるだけなのに、震えが、止まりません……! 
何なんですか? アノ人、怖い。怖い、です」
 鍛え抜かれた両腕に抱かれながら、
少女は極寒の吹雪から逃れるように躰を寄せる。
 スタンドバトルは、一見した能力の多寡では決まらない、
どれだけ凄まじいパワーやスピードを持った相手だろうと、
ソレに対応する知略と精神力次第で幾らでもその差を覆すコトが出来る。
 吉田は兎も角、その事実を重々承知している承太郎ですら、
頬を流れる冷たい雫を禁じ得なかった。
 此処に至るまで幾つもの強大な敵と相対してきたが、
ここまで勝敗の趨 勢(ヴィジョン)が視えない相手も初めてだった。
 先刻 “アノ二人” と一人で戦うコトを決意した時より、
余程生きた心地がしない。
 ただ、アイツの前にこの男が現れなかった事、それだけが妙に……
「最悪、だな……」
 状況か、それとも別の何かか、半ば諦観気味に呟いた承太郎は、
男に対する警戒を切らさないままそっと吉田を下ろした。
 もう? という言葉を秘めつつ見上げる少女にそのまま告げる。
「おまえ、一人で行けるな? 
スタンドで、自分の身は護れるな?」
 視線を向けず短くそう言った承太郎に、
吉田はダークスーツの男とはまた違う寒気を覚えた。
「まさか、一人で戦うつもりですか!? ダメです!
アノ人! 絶対普通じゃありません!」
 承太郎の危険は無論、それ以上に拒絶された感じがして
吉田は声量を上げた。
「お願いです! 足手まといにはなりません! わたしも一緒に」
「違う」
「え?」
 高ぶった感情を急速に冷やされた為、
吉田はポカンとした表情で承太郎を見つめた。
「おまえには、 “別の要件” を頼みてぇ」
 ダークスーツの男を威嚇するように睨みつけたまま、
承太郎は言葉を絞る。 
「さっき視た、5つの光、覚えてるか?」
「え? あ、は、はい。
いきなりオーロラみたいな光の波が街の中心へと流れていって、
びっくりしましたけど」
「その 「位置」 は覚え
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