第39話『視える』
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
される。ちなみに僕のは前者だよ」
「丁寧にすいません…」
男性も加わったその説明は、素人でも十分理解できるほとわわかりやすかった。
尤も、それ以前に魔術やら魔法やらの存在を知らなければ、理解は苦しむだろうが。
あ、そう思えば、この場合の素人って何だろう。
「さて。君達に話しかけたのは他でもない。少しばかり、気になったものでね。君たちは普通に魔法を使えるだろう?」
「は、はい」
「君たちのような歳で魔法が使えるのは極めて珍しい。そのことについて、色々と聞かせてはくれないか?」
「はぁ…」
男性は興味津々といった様子で、晴登らにそう訊く。
なるほど。話を聞く限り、子供で魔法を使えるのは本当に珍しいようだ。
ちなみにここで、「どうして魔法を使えることを知ってるのか」という質問が頭に浮かんだが、彼の魔眼は魔力を視ることができるようなので、それで知ったのだと結論づけた。
それにしてもこの訊かれ方では、正直何を答えればいいのかわからない。もう少し、質問の内容を絞って貰わないと。
「…質問が難しかったようだね。だったら、どうやって魔法を身に付けたのかだけ、教えてくれないか?」
「あ、はい」
難しい、という感情を露骨に表情に出していたら、男性が察してくれる。
これなら答えることはできそうだ。
「じゃあ俺から。俺が魔法を使えるようになったのは──」
*
時間は30分ほど過ぎ、男性を交えたランチタイムはいよいよ終わりを迎える。
彼は自分が何か話す訳ではなく、ただただ晴登達の話を一心に聞いているだけだった。
「うん、中々興味深い話だったよ。ありがとう」
「いえいえそんな」
そろそろ帰ろうかな、という意図が言外で伝わってくる発言。
本当に興味深いものだったかと思うとしばし疑問だが、喜んでいるようなのでそこはスルーする。
「話を聞かせてくれたお礼といってはなんだが、この昼食は僕が奢るよ?」
「いやいや! 気持ちだけで充分です!」
月並みなパターンに入られたので急いで断る。
話を聞かせてくれたお礼だなんて、奢るに値しない軽さだ。それなのに奢るというのは、人が良すぎるというものである。
「そうかい? 僕としてはそこまで負担じゃないけど・・・でもまぁ、無理強いする必要はないかもね。じゃあ、今日はありがとう」
「はい…」
一方的な感謝に言葉が詰まる。
それはユヅキも同感なようで、男性が店から姿を消した瞬間に晴登に話し掛けた。
「変な人だったね」
「そう…だね」
「そういえば、ハルトの話を横から聞いてたけどさ・・・凄いね」
「え、何が?」
「だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ