10部分:第九話
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第九話
第九話 ペットの餌その三
「では」
「むっ」
「遂にやるな」
公安の人達は博士の動きを見てすぐに身構えた。小田切君はそれを見て博士から距離を置きはじめた。
「僕は今回は何の関係もありませんからね」
「何じゃ、白状じゃな」
「白状とかそういう問題じゃないですよ」
ムッとした顔で言い返す。
「公安の厄介にはなりたくないですから」
「公安の出してくれるカツ丼は美味いぞ」
博士はニヤリと笑いながらそう言葉を返した。
「パエリアもな。注文してくれる」
「そんなに好きならスペインに移住して下さい」
「向こうからお断りの返事が来たわ」
「でしょうね」
理由は言わずもがなである。こんな危険人物を入れる国なぞあろう筈もない。日本政府としても何とかしたいのだがどうにもできないでいるのだ。
「まあ日本のパエリアは美味いがな」
「ですね」
「じゃがどうにも。わしの天才を本当に認めぬのは」
そんなことを言いながら餌を砕いてきた。そして足下にいる雀達にやった。
「ほら、食うがいい」
「チュンチュン」
雀達は何も知らずに無邪気の食べはじめる。すると。
「な、何だ!?」
「雀が」
雀達が急に大きくなりはじめたのだ。一メートル半はある。急に化け物じみた大きさになったのであった。
そのまま飛びはじめる。巨大な雀が空を飛んでいる。それだけでもう大騒ぎであった。
「ううむ、計算ミスか」
博士はその巨大雀達を見ながら残念そうに言った。
「計算ではこの十倍程になる筈じゃったが」
「その雀で何するつもりだったんですか?」
「決まっておる、街を破壊するのじゃ」
博士は平然と小田切君に答えた。
「破壊の後の創造こそ最も素晴らしいからな」
「やはりそうだったのか」
「おい、機動隊呼べ」
「市民達を安全な場所へ避難させろ」
周りでは公安が博士の身柄を確保しようとしていた。ヘリコプターまで来ていた。
「しかしこの程度では。かなわんな」
「その動物ってのはウルトラマンでもなければ相手にならないレベルですか?」
「まさか。ウルトラマンでも赤子同然じゃ」
「はあ」
「あんな訳のわからん連中にわしの偉大な研究を邪魔されてはたまらんからな」
「その前にお巡りさんに邪魔されそうですね」
「お巡りさんじゃと?」
「ほら、もう」
既に機動隊と公安に完全包囲されている博士であった。小田切君はもう安全な場所まで退いていた。
博士はやって来た機動隊の大軍に身柄を拘束された。そしてそのまま竹島送りにされたがそこで韓国軍の軍艦を数隻撃沈しあわや日韓戦争という事態を引き起こして脱出した。なお巨大雀達はこの動物園に保護され人気者となったとのことであった。これだけは
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