第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第18話 スクナヒコナ作戦
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ッサーを包囲します」
「了解。……ここは、譲れません」
赤城はアグレッサーの周囲で牽制砲撃を続けている第3水雷戦隊と第2支援艦隊を一瞥し、背後に控えている第1機動部隊の部下達に指先で支持を送る。
「い、いよいよなのです……!」
「大丈夫よ電、私がいるじゃない!」
「油断するなよお前達、ここからが正念場だ」
「さぁ……って! あの無性に憎たらしいツラ、私達で吹っ飛ばしてやろうじゃない!」
部下の駆逐艦「雷」「電」、及び重巡洋艦「那智」「足柄」の計四名の艦娘は、彼女の指示に沿うように、扇状に散開していった。アグレッサーを、囲う形に。
――この「スクナヒコナ作戦」の第1段階は、具体的な位置が掴めていなかったアグレッサーを索敵することにあった。
第3水雷戦隊、第2支援艦隊、第1機動部隊。この選りすぐりの精鋭艦隊を、3段階の防衛線に配置して索敵の網を張る。
そして3艦隊のいずれかに「引っかかった」瞬間、アグレッサーを陽動して全艦隊で包囲。全方位から、徹底的に叩く。
その作戦第2段階が終わり、最終段階に入る時こそ。本作戦の切り札が、動き出すのだ。
「全艦隊、砲撃用意!」
「3水戦砲撃用意急げ!」
「第2支援艦隊、砲撃準備完了!」
「こちら3水戦準備完了!」
赤城が第1機動部隊に指示を送り、僅か30秒。第2支援艦隊及び第3水雷戦隊を含む連合艦隊が、アグレッサーの全周を包囲し――砲撃準備を整えていた。
その様子を赤城からの通信で聞きつけていた長門は、深く頷く陸奥と大淀を一瞥して――通信機を口元に近づけ、厳かに命ずる。
「……我々の力、思い知らせてやれ。全艦、砲撃開始!」
彼女が下した、一斉砲火の命。その指示に応じ、アグレッサーを包囲する全ての砲門が火を噴いた。
砲弾の直撃。上空からの爆撃。機銃掃射。
精鋭揃い艦娘達が、必殺の信念の下に放つ猛攻。その全てが、飛蝗の巨人に注がれて行く。
硝煙と炎が辺りを包み込み、青空さえも暗雲が滲む。彼女達を取り巻くこの世界すらも飲み込むほどの「余波」が、近海全域に波及するほどの斉射だった。
――だが。
煙が晴れた先には、傷一つないアグレッサーが立ちはだかっている。
その光景に、誰もが戦慄を覚えたが――それでも、希望は捨てる者は一人もいなかった。
これすらも、作戦の一つなのだから。
「……! 目標、口部より蒼い発光を確認!」
「次元破断砲が動き始めた……! 作戦、最終段階に入ります!」
黒煙の中から現れたアグレッサー。半開きになったその顎の間からは、蒼い輝きが漏れ出していた。
その光景から、「外的刺激」による「排泄」が始まったと察知した赤城と加賀は、同時に後方を振り返る。
旗艦である
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