第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第18話 スクナヒコナ作戦
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進めていく。
「こ、ここまで攻め立ててもまるで通じてないなんて……!」
「まだ『排泄』に至る『外的刺激』には及んでいない、ということデスネー。ノープロブレム、この程度は想定の範囲内ッ!」
「金剛さん! 3水戦の子達も間も無く合流よ!」
「オッケー瑞鶴! 暁、響! 私達も後退ネー、3水戦を連れて第1機動部隊と合流デース!」
「りょ、了解!」
「……了解!」
瑞鶴と駆逐艦「暁」、「響」の三人は金剛の支持に応じて後退を始める。牽制砲撃を繰り返しながら、比叡もその後に続いた。
「あんなの……勝てるのかな……」
「比叡、勝てるのかな、じゃないデース。――何が何でも、絶対に勝つ。その必勝の信念なくして、勝利はやって来まセン」
「お姉様……」
「この私が保証しマス。……我が妹の目に、狂いはない。南雲君は、絶対にやってくれるデース!」
「……はいっ!」
その胸中に滲む不安。それを振り払わんと、姉は大仰な口調で鼓舞して見せた。
相変わらずの全力投球。だが、その無鉄砲さに今まで何度救われてきたか。
比叡は金剛の言葉を、大切にしまい込むかのように胸に手を当てる。そして、強い眼差しでアグレッサーを睨み上げ、反転した。
――絶対に、諦めない。サダトと、自分達の勝利を信じる。
その決意を抱き、海上を走る比叡を含む第2支援艦隊は、第3水雷戦隊を引き連れて最終防衛線へと移動を開始するのだった。
「……来ましたね。ここまでは予定通りです」
「ここからも、ですよ。私達の手で、作戦を完遂させましょう。加賀さん」
「ええ、そうですね……赤城さん」
その影と、天を衝くアグレッサーの巨体を視界に捉え。虎の子の一航戦を擁する、第1機動部隊が動き出す。
同時に弓を引き絞る赤城と加賀は、互いに強く頷き合い――放つ矢の群れを九九艦爆の編隊へと変えて行った。
けたたましいエンジン音と共に、数多の飛行機が「妖精さん」を乗せてアグレッサーの頭上へ舞い上がる。
直後。彼の者の頭上に、必殺の信念を帯びた爆撃が、絶え間無く降り注がれた。
その時。
空間を揺さぶるような絶叫が、大気を震わせ波を荒立たせた。
その叫びを浴び、近海に集結しつつある全艦隊に衝撃が走る。心構えが甘ければ、一瞬にして戦意を刈り取られてしまうような咆哮だ。
雄叫びを上げたアグレッサーは、上体を大きくよろめかせながら前進していく。その僅かな変化を、一航戦は見逃さない。
「全弾命中を確認。外皮への損害は確認出来ず。――しかし、動きが変わりました」
「南雲さんの渾身の体当たりには及ばずとも、それに近い『外的刺激』は与えられつつあるようですね。作戦通り、全艦隊でアグレ
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