第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第17話 核の手は借りない
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大胆ですね」
「……ふしだらです」
「ふふ、加賀さんも照れ屋さんなんですから」
「……」
挙げ句の果てには、一航戦の赤城と加賀までもが、通りがかったところで二人の姿を目撃していた。
「あ、あ、あ……!」
サダトの表情からそれに気付き、後ろを振り返った比叡は。自分達に注がれていた眼差しを前にして、茹で蛸のように顔を赤らめて行く。
「――いやぁあぁあぁんっ!」
「どふぇっ!?」
「あ、あぁっ!? ご、ごめん南雲君っ!」
その恥じらいのあまり、サダトを波止場から海に突き落としてしまったのは、その直後だった。
我に返った彼女が、海に落ちたサダトを見下ろしながらわたわたと慌てふためく姿は、姉達を暫しほっこりさせていたのだが――翌日、出歯亀を働いた面子は全員揃って、ぷりぷりと怒る比叡に説教されたのであった。
◆
そして、二日が過ぎた頃。
彼らは運命の日を迎えることとなる。
「第1防衛線に展開している第3水雷戦隊が、巨大な人影を確認した模様! 間違いありません、アグレッサー第3形態です!」
「――来たか。第2防衛線の第2支援艦隊、及び最終防衛線の第1機動部隊は直ちに厳戒態勢に入れ! 現時刻1230より、スクナヒコナ作戦を開始する!」
作戦司令部に届けられた通信内容に、大淀が声を上げる瞬間。長門は高らかに声を上げ、作戦の開始を宣言する。
斯くして。艦娘と仮面ライダーによる連合艦隊は、仮面ライダーアグレッサーとの決戦に挑もうとしていた。
――194X年8日30日。
鎮守府工廠。
「作戦が始まった……! 南雲君、用意はいいね!」
「はい、調整は万全です! 行きますよ、夕張さん!」
「オッケー! 派手にぶちかまして来てねっ!」
サダトを乗せた、新たな仮面ライダーAPの相棒「アメノカガミノフネ」は。主が踏み込むアクセルに共鳴し、激しいエンジン音を上げる。
そして、元気いっぱいにサムズアップを見せる夕張の目前を横切り――弾丸の如き速さで、工廠の外へと飛び出して行く。
舞い飛ぶ先は、見渡す限りの海。その真上まで、勢いのままに車体が舞い飛ぶ瞬間。
サダトは左手部分にあるレバーを、思い切り倒すのだった。
「『アメノカガミノフネ』、抜錨しますッ!」
刹那。そのまま海に沈むかと思われた九五式の車体は、その紅いボディに備えられている四本のタイヤを――水平に変形させる。
海面の上に乗せるように、横倒しにされたタイヤは「アメノカガミノフネ」の車体を海上で支えると、そのまま主を乗せて海の上を走り出して行った。
夕張により開発された、核搭載水陸両用車。それが、本作戦の切り札「アメノカガミノフネ」なのである。
『
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