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仮面ライダーAP
第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第14話 一航戦の試練
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部から降り注ぐ爆弾は……紛れもない実物だ。

 爆炎と共に波が広がり、波止場に海水が叩きつけられて行く。絶え間無い爆撃が、容赦無く改造人間に向けられていた。

『ああーっと、速攻に次ぐ速攻! 並の深海棲艦なら、すでに轟沈必至の攻撃だぁーっ!』
「な、南雲君っ!」
「心配ないネー。……南雲クンなら、全弾回避してるデース」
「えっ――あ!」

 立ち上る煙幕。燃え盛り、倒れて行く棒。
 戦い慣れている艦娘でも、いきなりこの量の爆撃を浴びれば無事では済まない。新米の艦娘なら、間違いなく行動不能になっている。

 一航戦の名に恥じない、強力な速攻。この試練に対する、二人の意気込みが如実に現れていた。手加減など一切ない、本気の攻撃。
 その戦況を目の当たりにして、青ざめた表情になる比叡。そんな妹とは正反対に、金剛は胸を張ってある方向を指差す。

 ――その方向から、漆黒の外骨格が煙幕を突き破り、青空の下へ飛び出してきたのだった。
 今日が初の海上戦とは思えないほどの、滑らかな航跡を描く彼の身のこなしは、瞬く間にギャラリーの視線を独占していく。

『なぁーんとなんと、かわしました南雲選手っ! さすが戦闘に秀でた改造人間の戦士! 一航戦の爆撃にも屈していなぁい!』

 この番狂わせとも言うべき立ち回りと霧島の実況に、艦娘達は大いに沸き立つ。
 話でしか改造人間の力を知らない彼女達の中には、その戦闘力に対して懐疑的な者もいた。そんな彼女達も、一航戦の爆撃を鮮やかにかわした彼の機動力には舌を巻いている。

「南雲君……!」
「やっぱり、私達が見込んだ通りネ。でも、本番はここからデス」

 改造人間の力を知らしめる。という目的の達成へ、大きな一歩を踏み出す瞬間であった。

「――ッ!」

 だが、一航戦はいつまでも調子に乗らせてくれるような相手ではない。
 爆撃をかわしたサダトの上体に、無数の弾丸が降り注ぐ。防ぐ間もかわす間もなく、全弾を浴びてしまった彼の頭上を、零式艦上戦闘機21型の編隊が通り過ぎた。

「南雲君っ!」
「海上を走る際に生まれる独特の波紋を読み、南雲クンが煙幕から脱出した先に零戦を展開させていたようデスね」
「……!」

 水上を移動する際、足元から広がる航跡。その微々たる兆候を、あの爆撃による激しい波紋の中で見つけていた一航戦と姉の観察眼に、比叡を戦慄を覚える。

『ああっと! 一航戦も彼の動きを読んでいる! 零戦の機銃掃射を浴びてしまったぁ!』

 霧島の実況に覆い被さるように、再び零戦の編隊がサダト目掛けて射撃を開始した。

「二度もッ!」

 しかし、サダトも何度もやられているままではない。手にしていた剣を猛烈に回転させ、銃弾を凌いでいく。
 一航戦の必勝パター
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