第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第10話 艦娘と仮面ライダーのファーストコンタクト
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は!?」
「およそ130! イ級とロ級の射程圏内です!」
「クッ……! 比叡、後方に回るネ! 真後ろから確実にヒットさせマース!」
「了解しました!」
すでにイ級とロ級は海岸を砲撃できる位置まで近づいている。彼らに攻撃の意思はまだ見られないが、次の瞬間には海岸線に火の手が上がっているかも知れない。
民間人の安全を優先するなら、一秒でも早く彼らを背後から砲撃するに尽きるが、寸分でも狙いが狂えば海岸線に誤射する可能性もある。
普段なら第一射の砲撃で射角修正を行った上で、本命の第二射を命中させるところであるが、今回に限っては試射する余裕がない。
より命中精度を上げ、第一射で命中を狙うには、対象と同じ方向――直線上の射線に入れるしかない。
金剛と比叡は互いに深く頷き合うと、同時に航路を大きく曲げていく。
やがてイ級とロ級の航跡に沿うように、彼らの背部に回り込む二人は――同時に砲身を展開させ、狙いを定める。
「気合い、入れてッ……!」
「バーニング、ラァアァヴッ――!?」
そして彼女達の35.6センチ連装砲が、同時に火を吹く――時だった。
突如。海岸線の向こうから舞い上がった一つの物体が、放物線を描き――ロ級の上に激突する。轟音と同時にロ級を中心に波紋が広がり、水飛沫が天を衝くように噴き上がった。
「砲撃!?」
「違いますネー……榛名と霧島は向こうにいるはずデス。援軍が来るという連絡もナッスィング。……それに、あれは……」
砲身を下ろした比叡が目を剥く一方。金剛は冷静沈着に、目を細めて状況を見据えていた。
砲撃なら爆発と共に火の手が上がるはず。だが、ロ級には衝撃音が響くのみであり、爆炎は見えないし硝煙の臭いも感じない。
不発弾という線も考えられたが、その可能性もすぐさま彼女の脳裏から消え去った。
――残ったイ級へと飛び掛かる物体の動きを見るに、そもそも「砲弾」の類に当てはまるものではないからだ。
「な、何かが海岸から飛びついて……深海棲艦を襲ってる!?」
「……比叡! 例の、二体現れた謎の生物のウチの一体かも知れマセン。気を付けるデス!」
「は、はい!」
深海棲艦を捕食した、という二体の未確認生命体。片方は巨大な飛蝗であり、もう片方は鮫のような歯型を残した等身大の生物であるという。
状況を見る限り、後者の生物が現れた可能性が高い。夜間のチ級を、いともたやすく屠るほどの存在となれば油断はできない。
対象とコミュニケーションが取れる保証もないのだ。
金剛はいざという時に比叡だけでも逃げられるよう、先陣を切り海岸線に近づいていく。イ級までもがロ級に続いて海に沈み、徐々に海に静けさが戻ろうとしていた。
「見てくださいお姉様! あの謎
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