第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第10話 艦娘と仮面ライダーのファーストコンタクト
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を打破できるだろう。
だが、この未確認生命体に関する手掛かりが何も無いまま、根拠もなく虚勢を張ることは長門自身の矜恃が許さなかった。それは、かけがえのない仲間達を欺くことに他ならないからだ。
不確実な情報のままいたずらに戦意を煽ったところで、待ち受ける未来に光明はない。今の状況を切り開くには、この巨大飛蝗に纏わる謎を解き明かすしかないのだ。
「何処から来たのか、何のためにこの海域に来たのか、目的は何なのか、そもそも何者なのか……。いずれにせよ、今は情報が少な過ぎる」
「少しでもあの生物の情報が欲しいところだけど……金剛達からは、まだ?」
「ああ。まだ、これといった連絡はない」
昼間の時間帯である今現在、川内型三姉妹が巨大飛蝗を発見した当該海域には、金剛型四姉妹「金剛」「比叡」「榛名」「霧島」の四名が偵察に出ている。
高い戦闘力と素早い移動速度を併せ持つ高速戦艦である彼女達ならば、調査対象が予想を遥かに凌ぐ戦力だったとしても早期に撤退できる――と踏んだ、長門の采配によるものだ。
万一のことが起きても被害を最小限に抑えるには、少数精鋭で偵察を送るしかない。だが、それでも未だに有力な情報は得られずにいた。
「活動海域を移した……とは考えられないかしら。深海棲艦を何十体も捕食したあとなら……」
「私も考えたが、それなら他の海軍や民間が被害に遭う可能性も考慮せねばな。種類がわからなくてもいい、せめて習性が知りたい」
「そうね……今のままじゃ、行動パターンすらまるで読めないわ」
――もしかしたら、もうこの海域には現れないかも知れない。自分達に実害が及ぶことはないかも知れない。
だが、それは自分達が預かり知らぬところで違う誰かが犠牲になる可能性を孕んでいる。最悪の場合、自分達が見失ったせいで民間人が餌食にされる危険すらある。
ゆえに、見なかったことには出来ないのだ。人類の自由と平和を守る、艦娘としては。
……その時。
「長門秘書艦! 金剛より通信がありました! 当該海域にて、複数の深海凄艦を発見したと!」
黒い長髪を靡かせ、眼鏡をかけた色白の艦娘「大淀」が飛び込んでくる。その報告を聞きつけた長門は、剣呑な表情で椅子から立ち上がった。
「状況はどうなっている。数は」
「駆逐イ級五体、ロ級三体。現在は扇状に散開しており、イ級二体とロ級一体が民間の海岸に接近中です!」
「民間の海岸……? よし、最寄りの艦娘にその四体の撃破を優先させろ。イ級とロ級の体型ならば地上を侵攻される危険性は薄いだろうが、最悪の事態も想定せねばならん」
「了解しました!」
数秒に満たない短いやり取りを終え、大淀は素早く執務室
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