第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第3話 怪人との対決
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を押し込み、ボトルのエネルギーを右腕に集中させる。
真紅のエネルギーラインを通じる「力」はやがて、右手に渡り――さらに逆手に握られた剣へと充填された。
白銀の刃が紅い電光を帯びて、妖しい輝きを放つ。
『FINISHER! EVIL AND JUSTICE OF MARRIAGE!』
「スワリング――ライダービートッ!」
そして、身体を横に回転させて放つ必殺の一閃が――降伏も命乞いも許さず、フィロキセラ怪人を切り裂く。
「グガ、アァアァアアッ!」
絶叫と共に、怪人が爆炎に包まれたのは、その直後だった。
「……」
爆発の威力を物語るように、川岸の周辺に煙が立ち上る。その光景から怪人の死を確信したサダトは、ベルトからワインボトルを引き抜き変身を解除する。
そして、苦々しい面持ちで踵を返す――その時。
「バ、カな……こ、こんなバカなことがッ……!」
「――ッ!?」
煙の方向から響く苦悶の声に、思わず振り返った。その視線の先には――血だるまで跪く、迷彩服姿の男の姿があった。
男は血が滲むほどに唇を噛み締めながら、憎々しげにサダトを睨み付けていた。その佇まいから、あのフィロキセラ怪人の人間態であることが窺い知れる。
あの一閃を受けていながら、まだ生きていたのだ。
「仮面ライダーの模造品でしか……先行量産型の一人でしかない! そんな貴様に、この俺が負けるはずがない……! 間違いだ、こんな結果は、間違いだァァァァッ!」
「ま、待てッ!」
頭を抱え、目を血走らせ、狂乱の叫びを上げて。男は水を掻き分けながら、奥多摩の山中へと消えていく。
瀕死まで追い込まれているとは思えないほどの力で、彼は逃走を図っていた。
追い詰められるあまり凶悪性を増した怪人は、何をしでかすかわからない。
サダトは素早くマシンアペリティファーに跨ると、男を追ってエンジンを噴かせた――。
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