第十四話 作戦発動 その@
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「プロフィリンゲンじゃないんだから」
「似たようなもんさ。どっちも、筋書きがある」
「それでは、試合をはじめる。第一試合、アレクサンデル・バルトハウザー生徒対トニオ・ヴァイル生徒」
「五合打ちあって、戦斧の柄ごとヘルメットに一撃。二分で決まる」
「賭けも成立しないくらい確実な予想だな」
「賭けごとは禁止!」
粛々と進行する第一ラウンド、参加者を半分にしぼる勝ち抜き戦形式の試合を今度は芝居がかって解説することもなく観戦しながら──俺が相手をしないので隅の方で体育座りをして所在なげにしている悪魔はそのまま無視しておくことにした──、俺たちはしばらくぶりに心からの笑顔で笑い合った。
「あれは誰だ。幼年学校生にしてはやるようだが」
「彼は地上軍のバルドゥール・バルトハウザー大佐の長男です。大佐はイゼルローン要塞の主砲制御室の警備主任を担当しております」
「おお、あの四五〇年度の拳闘大会優勝者のバルドゥールの子か!これは見物だ!」
アレクの父上の経歴を説明するツィンマーマン家の執事の声に豪快に笑うオフレッサー大将の声が重なった時、十秒近く短縮されたクリアタイム以外はブルーノの予想通りの形で最初の試合は決着した。
『ああっ、将軍!』『トニオさまがやられた』『ひけっひけっ』『とてもかなわん』『ひーっ』
アレクの見事な勝利に歓声をあげる観客の頭上に吹き出しと台詞を出現させている悪魔とゆかいなしもべたちに石を投げる真似をして驚かせたり公子の様子を見たりしている間に、さらに三試合が片付いた。勝ったのは第四試合に出場したブルーノを含めて、全員俺たちのチームのメンバーだった。
もちろん、俺も勝利を収めた。
「次第五試合、アルフレット・フォン・グリルパルツァー生徒対ハインリッヒ・フォン・ウェーバー生徒」
「じゃ、行ってくる」
「三十秒ちょうど。懐に飛び込んで斧をはね飛ばして、胴体中央に前蹴りで決める。教科書通りだね」
「もっと楽に勝ってみせるさ」
「はじめ!」
上背だけはある同級生を俺が倒すまでにかかった時間は癪なことに決まり方ともども、ブルーノの予想通りだった。だが、勝利がもたらした結果は満足すべきものだった。
対戦相手をほとんど一撃で倒した俺──と、ブルーノ──の戦いにオイゲン公子は明らかに自信が揺らいだ顔になっていた。プライドにかけて自分のやってきたことを否定するつもりはないようだが、いかつい顔の内側では自問自答が始まっているのが目に見えて分かった。
「第八試合、オイゲン・フォン・ツィンマーマン生徒対ギュンター・ウルマン生徒」
「公子、それなるギュンターの父は大佐で、お父君と軍での階級は同じですぞ。負ければご家名が、お父君の名が輝きを失いますぞ」
「こしゃくな平民め!」
古代ア
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