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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#19
MILLENNIUM QUEENV 〜Last Judgement〜
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じざるをえなくなるほどにな」
「……」
 運命、確かにそうかもしれない。
 論理的な思考でいくなら、アーサーが撃ち砕かれる要素は少しも無かった。
 緩みがあったわけではないのに、全てに於いて万全を尽くしたのに。
「格別の御配慮、心より承ります。以後今まで以上の専心を。
統世王様に、アノ者の衣擦れ一つ、耳に入る事は御座いません」
 最強の自在師、その新たな忠心に絶対者は艶めかしい微笑で応じる。
「フッ、まぁ余り根を詰めるな。おまえに倒れられては私も困る」
「お戯れを」
 そう言ってソファーに腰を下ろすDIOに、
ヘカテーは慣れた手つきでアンティークのティーセットを運んだ。
「ところで統世王様? 僭越では御座いますが、
女性の部屋を来訪なさる時は、ノック位するべきでは?」
「フッ、したぞ? ノックは。
最も、おまえには “聞こえなかった” ようだが」
 氷の風貌を微かに溶かして告げられる諌言に、
DIOは悪びれずそう答える。
「比類無き御力を、遊興に遣うのはお止めなさいませ」
「フッ、安心しろ。おまえにだけだ」
 完璧な作法で差し出されていたティーカップが、小さな音を立てた。





【2】


「ア……ガ……グ…………」
 天空を穿つ超存在が光と成って消え去った後、
静寂の舞い戻った街路には無惨な姿で打ち捨てられた
王が襤褸(ぼろ)切れのように転がっていた。
 皮肉にも自らを縛り付けていたDIOの肉の芽とヘカテーの法儀が障壁となり、
かろうじて形容(カタチ)を保ったまま未だ生き長らえている。
 しかしソレも時間の問題、全身に廻った波紋傷は固体の蒸発音と共に
緑青色の煙を噴き上げ、確実に死の暗黒へとオルゴンを誘う。
 最早甦らせる者もいない、完全なる無の深淵へと、静かに。
「……」
 その傍に、立つ者。
 最早眼も見えず、耳も溶ける音が聞こえるだけだが
その存在だけは、五感が薄れても鮮やかに感じる事が出来た。
(とどめを……刺しに来たか……或いは……無様に苦しむ……
オレを嘲笑いにきたか……いずれにしても……フ……フフ……)
 もうどうしようもない、受け入れるしかない二度目の末期に
ただ笑うしかなかった。
 痛みも限界を超えると感じなくなるように、絶望もそうなのだと想った。
「少し、待っててね」
 微かな衣擦れの音、抱いていた赤子を首帯(マフラー)の上に置いたのか
ヒールの甲高い音だけが近づいてくる。
(おわ、りか……)
 途切れぬ苦悶が自らを蝕むこの状況に於いては、
無慈悲に振り下ろされる断頭の一撃すらオルゴンには救いだった。
 即座に空を切る尖鋭な手刀。
 今際の瞬間に、オルゴンの時間は超圧縮して脳裡を駆け巡る。
(誰も……信じぬであろうが…
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