闇-ダークネス-part3/繰り返される別離
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い意図があるのをアスカは悟った。ずっと苦悩し続けてきたのだ。一朝一夕で変わることじゃない。
でも…こんな悲しい終わりは、アスカは嫌だった。同じウルトラマンだから、なおさらだ。
気が付けば、二人は出口に差し掛かっていた。
「…じゃあ、シュウ。ティファニアたちの元に戻ったら、どうする気だ?」
入り口の扉を開く前に、アスカはシュウに尋ねた。
自分はメフィストとの前の戦いで、ティファニアを足手まといというきつい言葉で拒絶してしまった。俺は戻るべきなのか?…いや、戻れるはずがない。
彼女たちをこれ以上苦しませたくない。死ぬまで戦わなければならない自分と一緒にいるべきじゃないのだ。
「…一人で、ビーストハントを続ける」
「一人ぼっちのまま、戦うってか?」
「…それが一番いい」
戦い続けるだけの修羅の道を選ぼうとするシュウ。
それを聞いて、アスカはシュウに向けて「それは違う」と言い返した。
「そんなんじゃ、結局何も守れないまま死ぬだけじゃねぇか。もしお前が死んだら、それこそティファニアたちの心に傷を入れるだけじゃないか?お前が一人になるってことが、ティファニアたちを間接的に守るとかあり得ねぇ。もしお前が戻らなかったら、お前が傍にいない分あの子達は前よりも驚異にさらされやすくなる。結局、誰かが傷ついて、お前も誰も守れないって結果になるだけだ。
仲間も自分も大事にできない奴は、なにも救えやしないだろ」
――他の誰かを助ける前に、自分を大事にしてよ!
――自分を大切にできない人に…何が守れるって言うの…!!
その言葉はシュウが、彼の正体を知ったティファニアから言われた言葉と同じだった。言われた時のことを思い出し、シュウは心になにか引っ掛かりを感じた。
「自分のこと何も変えようとしないで、過去に縛られて未来から逃げ回って…考えてみろよ、それこそ罪だろ?」
「ッ!!」
アスカの言葉で、シュウは言葉を返せなくなった。
図星だった。
今まで自分が戦ってきたのは、悲惨な光景を見て『自分が傷つく』のが嫌だったからだ。
優しさの裏に利己的な意思が混ざっていた。
しかし、精神的に日に日に追い詰められていくシュウは、自らの過去を無視できないあまり、自分の回りを軽視し、突き放し始めた。他の誰かが自分をどう思っているか…そこから目を背ければ、その分自分が傷つくことはない。そしていつか、自分が戦いの果てに死ねば、自分は二度と傷つくことはない。
それを指摘され、シュウはついにその表情に歪みが生じた。
「…だったら、どうしろって言うんだ…!俺は過去を捨てることも忘れることもできない。愛梨が俺のせいで死んだ…姫矢准の人生にも深い影を落とした…たくさんの人を守れなかった」
同時にシュウの頭の中に、自分のせいで傷ついていった人たちの姿が何度も走馬灯
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