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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
闇-ダークネス-part3/繰り返される別離
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だ終わるには早いんじゃないか?」
「…?」
シュウはアスカの気が知れないと言いたげに、横目で彼を見る。しかしかまわずアスカはシュウに話を続けた。
「俺さ、地下に都市を作ろうとするとある会社の社長さんに会った事があるんだ。子供の頃、土を詰め込んだビンの中にアリを放して、巣を作っている姿を観察してたんだってよ。それがきっかけで、人間も地下に都市を作れるんじゃないかって思いついたんだそうだ。
けど、夢の一歩手前で下手をこいちまって、完成手前の都市がめちゃくちゃになっちまった。普通なら、お前みたいに夢を諦めたくなるけど、あの人はまた地下都市を作るのを諦めようとしなかったんだ。アリのように、何度でもってさ」
「……」
「他にも、地球人として生きてきた宇宙人の少年とも会ったことがある。ある日、滅んだ故郷に代わる星を、同胞たちと共に見つける旅立つことになってな。そうなったらもう二度と、地球で出会った友達とも、家族とも会えなくなるのを覚悟して、友達に見送られながら旅に出たんだ。そして彼の地球の友達は、いつか彼にもう一度会うことを将来の夢にしてがんばることを誓ったんだ」
それは、アスカが今より少し若い頃の戦いの日々の一端を簡潔に明かしたものだった。
「夢はさ、支えてくれる人や諦めない心さえあれば、何度だって挑戦できるんだ。お前はまだ何年もの未来が待ってる。そんな長い時間を、ただ償うためだけに費やすなんてもったいないぜ?
ティファニアたちもそうだろうし、お前が大切に思っていた女の子…愛梨ちゃんだったか。彼女だってきっと、お前が幸せに生きることを望むはずだ」
愛梨という少女のことは、シュウの口から聞いただけだが、ずっとシュウのそばで死ぬまで支え続けてきた、誰もが羨むであろう心優しい少女であることがたやすく想像できた。
それは、シュウも心のどこかではわかっていた。ずっと一緒だったからよくわかる。
だが…。
「…やめてくれ」
シュウはアスカの言葉を拒否した。
「俺は、数え切れない罪を犯してのうのうと生きてる自分が許せないんだ。
その罪を忘れて自分だけ幸せをつかもうとするようなことをしたら、もっと自分が許せなくなる。
『大事に思っていた少女を死なせておきながら、どうしてお前は生きているんだ』って…」
昔の罪を忘れる、シュウが恐れ、許せないと捉えていることだった。まるで、自分の大切な人が誰かに殺され、その犯人を永遠に憎み続ける復讐者のようだ。大切な人も夢も失った彼の無念は、やがて心の中で燃え続ける、消したくても消えない炎となっていたのだ。
「…未来を変えても、過去は変えられない。もう、俺の夢も未来も終わったんだ。
償いの戦いを続け、いつかボロボロになって一人孤独に死ぬまで、俺は戦いから逃げることはできない」
どうあっても自分の未来を変えようとしな
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