§71 三馬鹿ならきっと根性で侵入出来る
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かしていれば」
「まぁ、しゃーない。神相手で死んでもおかしくなかったんだ。感謝こそすれどキレるわきゃないっての」
苦々しい表情の護堂におどけて答える。ジュワユーズを身代わりに使った、とか言われたら怒るかもしれないけれど、共闘し援護してくれた相手に対し文句を言うのは罰が当たる。オマケにこの廃墟に匿ってくれていたのだ。
「そういえばよくこんなトコ見つけたね。この辺は通学路で使ってるけど、こんな場所知らなかったよ」
商店街の裏にこんな廃ビルがあるなんて。向かいの駄菓子屋に萌え系作品とタイアップした駄菓子が置いてあるのは知っていたけれど、こんなボロいビルは目に入っていなかった。
「意外と穴場なんだよココ。心霊スポットとして知る人ぞ知るってカンジなんだ」
だから多少物音がしても肝試しに来たやつだろうで片が付くんだ、と言われて納得。なるほど。ジュワユーズも、ロンギヌスもパッと見て、廃墟に捨てられたゴミにしか見えない。ボロボロになったのがここでプラスに働いた。ジュワユーズが周囲を警戒しつつ待機。一般人が来たら人化を解除しゴミに紛れる。多少の物音は肝試しに来た客と誤解される。
「理想的な物件やん」
「まぁ、冬には解体されるんだけどな。不審者や不良のたまり場になりかねないし」
懐中電灯を弄びながら、苦笑する声。まぁ、そうか。放置しておけば不審者や不良のたまり場になるのは避けられない。阻止しようとする周囲といたちごっこだ。
「不良のたまり場になってなくて良かった、ってことかな?」
たまり場なんぞになってたら不良が危ない。瀕死のジュワユーズでもそこらの不良に遅れはとるまい。ましてや護堂達がついていたら相手の心配をするレベルだ。
「……って、なってたらココ選ばないか」
不良のたまり場から不良を追い出す。治安の向上と共にジュワユーズの隠れ家を確保する。不良を追い出す手法によっては噂になる、というデメリットこそあるけれど、選択肢としてはそれなりに見える、が。
「……僕のアパートに入れとけば良かったんじゃね?」
わざわざ隠れ家を探さずとも、黎斗のアパートに彼女を放り込んでおけばよかっただろうに。家族と住んでるわけでもなく。来客があるわけでもなく。安全にかつ秘密裏に匿えただろうに。そう思えば、ガシガシと頭をかいて呟く。
「いや鍵かかってたし」
「……あぁ」
そういえば義妹を助けに行ったとき、甘粕に鍵渡して戸締りしてもらったんだっけか。
「甘粕さんに渡した鍵を使って……あー、アレは一回使うと消滅するタイプだっけか」
ゲームとかでよくある宝箱を空けたら消滅する鍵。甘粕に渡したアパートの鍵はアレを真似して作ったものだ。つまりは一回ポッキリの使い捨て。
「
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