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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十三話 恐怖を超える想い
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避と防御を織りまぜれば対応されてしまうのが突きの弱点。

 ……なら、一度に大量の突きが襲ってくれば?

 少なくとも防御で受け止めれるものではないだろう。

 なら回避しかない。

 それも、全てを躱しきれるほどの光速回避。

 速度重視型の魔導師なら、万全の状態であればできるはず。

 今のボロボロな彼女にそれができるかどうか。

「証明して」

 あなたの、覚悟を――――!


*****


 逢沢 雪鳴が今までで一番の速度を持って繰り出す、光速連続突き……その弾幕。

 無数の鋭い氷柱が迫っているようにも見えるそれは、きっと私の心臓と首を確実に狙ってきてる。

 他にも私の動きを奪うために脚だったり、攻撃をさせないために腕や肩だったり、意識を落とすために腹部や頭部だったり。

 それら全てが的確で精確に狙いを定めて放たれてる。

 間違いなく、彼女はこの一手で勝負を決めるつもりだ。

 万全の状態の私だったら、回避や防御を組み合わせてどうにかしようと考えることができたはず。

 だけど、悔しいけど今のこの身体じゃ回避も防御もできない。

「っ……」

 苦い気持ちを、ただただ噛み締めた。

 彼に救われる道を捨てた。

 母さんの願いのために苦しむ道を選んだ。

 その決意と覚悟が、こんなにも簡単に打ち砕かれようとしていることに悔しさがこみ上げる。

 私が諦めかけた時に彼女が立ち上がらせてくれたのに、結局この状況を変えることはできない。

 だけど、せめて負けるのならば最後まで足掻きたい。

 弱くていい。

 無様でもいい。

 この勝負、意識が途切れる最後の最後まで、倒れるわけにはいかない。

 私はバルディッシュを鎌の形態にさせ、魔力を流し込む。

 鎌の刃は電気を纏った魔力刀として現れるけど、弱った私の体力では不安定で歪な形になってしまった。

 だけど、武器にして戦うには十分な切れ味はまだ残ってる。

 そして迫る敗北に、満身創痍の身体で構える。

 そうして迫る敗北と死に対して、私はふと――――彼に負けたあの戦いを思い出す。

 ――――そう言えば、あの時も似たような感じだった。

 小伊坂 黒鐘と初めての戦い。

 どんなに速く動いても、彼はそれ以上の速さで私の不意を突いてみせた。

 あの時はあまりの速さにと衝撃で、覚えてることはすごく少なくて朧げで。

 だけど、あの時に似た今の、眼前に迫る最強の存在に対して私はあの時のことを鮮明に思い出した。

 ――――あの時彼は、どうやって私の攻撃を避けたんだっけ?

 電気を纏った魔力弾の速度は光速に至る。

 それを停止した状態
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