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第三十九話

                  第三十九話  睨み合い
 当日になった。クラウンと雅美は会場に向かっていた。
「ここで決めるわよ」
 華奈子はメンバーに対してこう言ってきた。
「それでいいわよね」
「ええ」
「勿論よ」
 五人のメンバーも強い声でそれに応える。特に美奈子の声が強かった。
 その美奈子が華奈子の側に来た。そして囁いてきた。
「華奈子」
「何?」
「来てるわよ」
「あれね」
 華奈子はその言葉に応えた。見れば前にその雅美がいた。
「来てるわね、確かに」
「ええ、それに」
 美奈子はそれも言ってきた。
「見てるわよ」
「そうね」
 六人全員が彼女に気付いた。彼女もまた六人に気付いた。
「ねえ美奈子」
 華奈子はその中で美奈子に声をかけてきた。
「何?」
「わかってるわね」
「言うまでもないわよ」
 毅然としてそう返す。
「皆」
 そして他のメンバーにも声をかける。五人はそれに無言で頷いてきた。
「行くわよ」
 そのまま先へ進む。雅美と擦れ違った。
 だが何も発しない。そのまま通り過ぎるだけだ。
 それでも互いに視線を光らせた。それが交差した。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」 
 通り過ぎた。だがやはり双方何も言わない。
 しかしそれでも。確かに伝わった。
「宣戦布告ね」
「そうね」
 華奈子と美奈子は雅美の姿がなくなってから顔を見合わせて話をした。
「さて、後は」
「本番だけれど」
 そのまま会場を見る。そこにはまだ誰もいない。
「全力で行くわよ」
「言うまでもないわね」
 今度は華奈子が美奈子に返した。
「それで目標は」
「それもね」
 美奈子はここですっと髪をかきあげてきた。異様なまでに挑発的な仕草であった。
「言うまでもないじゃない」
「そういうことね」
 六人は頷き合った。いよいよコンサートがはじまろうとしていた。


第三十九話   完


                 2006・12・19




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