暁 〜小説投稿サイト〜
FGOで学園恋愛ゲーム
二十八話:正直な気持ち
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初

 男らしい告白の後に、力強い腕で抱きしめられる。
 彼女は一体何が起きたのかと、最初は理解できていなかったが、次第に理解してボロボロと涙を零す。

「なんで…なんで…私なんかを選んだのよ…?」
『好きだから』
「私…姉さんみたいに性格はよくないわよ…? 面倒臭い女よ…?」
『知ってる』

 涙と共に正直な弱音が流れ出てくる。
 それをぐだ男はただ受け止めていく。

「嫉妬深い女でもいいの…?」
『誰でもない君がいい』
「寂しがりやで傍にいないと何するかわからないわよ…?」
『ずっと傍にいるよ』

 決して離さないと伝えるように、痛いほどに彼女を抱きしめる。

「本当に、本当に、私なんかでいいの? 炎で焼かれるわよ?」
『君と一緒に焼かれるのなら構わない。愛してる、この世の誰よりも』

 不安げに瞳を揺らす彼女を、安心させるように優しくささやく。

「嘘じゃないの…?」
『嘘なんてつかない』
「じゃあ……証明してよ。私のことを好きだって…証明して……」

 乞うように、か細い声を出し、瞳を閉じるジャンヌ・オルタ。
 長いまつげが揺れ、緊張したように震える吐息が顔にかかる。
 ぐだ男は、そっと彼女の顎に手をかけ、優しく上げる。

『ずっと好きだよ』
「地獄の底まで付き合ってもらうんだから……」

 二人の距離がゼロになり、唇が重なり合う。
 甘く酸っぱい、初めてのキスは―――恋の味だった。





 〜3years later〜

「ああ、もう! なによ、この地雷ヒロイン!? ウジウジしてるだけじゃなくて、役に立たないのについていこうとするんじゃないわよ!」

 鏡の前に座り、乙女ゲームをしながら文句を言う、ジャンヌ・オルタ。
 稀にある地雷ヒロインに当たってしまったことで、不満が噴出している。
 男性キャラは良いばかりに余計にダメなところが際立ってしまうのだ。

『そんなに文句言うならやらなきゃいいのに』

 そんな彼女の長くなった髪を梳きながら、ぐだ男が呟く。
 二人は同じ大学に進み、今ではこうして同居しているのだ。

「ストーリー自体は良いからやめられないのよ!」
『はいはい。それはそうと、俺より良い男キャラはいた?』
「はぁ……何度も言わせないでよ」

 拗ねたように尋ねてくるぐだ男に、ため息をつき、ゲームの電源を切るジャンヌ・オルタ。


「私にとってあんた以上の存在はいないんだから、拗ねるんじゃないわよ」


 その言葉に、ぐだ男は嬉しそうに笑いながら彼女を抱きしめる。

「ちょっと、まだ終わってないでしょ」
『後でちゃんとするから』
「もう……仕方ないわね」

 文句を言いながらも、ジャンヌ・オルタの方も
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ