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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第9話 理不尽さ
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通りその下の頬にまで到達する傷が現れる。

「旦那様!!」

その叫びと共にルイスの体は後ろへと倒れ、静かに意識が刈り取られていった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目覚めたのは昨日も眠った自分の部屋だった。目を開けようとしても左だけしか開かないと理解した。傷は手当てがしてあったが開くことは無いだろう。

「目が覚めたのね旦那様」

ルイスが眠っていた寝台の隣に椅子に腰掛けていたメリーがいた。

「今は…」

「もうすぐ夜更けよ、5時間は眠っていたわね」

ルイスの額の汗を拭うメリー、言っていた通り集中させると実体化して物にも触れることが出来るというのは便利なものだろう。

「目は」

「ごめんなさいね、手当てはしたけれど『エンペラー』の攻撃には特殊な魔法がかけられてたみたいで視界が戻ることは無いみたい」

「そうか…仕方ないな」

上半身だけ起き上がり、寝台から足を出してメリーの正面に座る。

「今実体化してるか?」

「?ええ」

「そうか」

そのつぶやきの後手を伸ばし、ゆっくりとメリーの頭を撫でる。その行動にメリーは驚愕の表情を見せ思考が一瞬停止したような感じにも見える。

「旦那…様?」

少しの心地良さに目を細めながらルイスに向けて問いかけるように呼ぶ。

「ありがとう」

「………」

「傷の手当ても、僕が目覚めるまで起きて世話をしていたことも、全部ありがとう」

「ぁ…」

静かに手を止め手を下へ下へと下げていき、腰のあたりまで下げたところでそのまま抱き寄せた。

「歪でよく分からないようなまま、こんな関係になったけど…どんな形でも僕とメリーは一心同体で、夫婦だって事は大切にしていこうと思うよ」

「ぁ…だ…」

「1度は敵同士、殺し合おうともしたけどこれから新しくリセットして関係を築いていこう。君となら…メリーとなら僕はそれを望むよ」

少しだけ最初よりも強く抱きしめた。それを受け入れるメリー、瞳には1粒だけ涙を浮かべた。

「旦那様」

「ん?」

「私は人形を旦那様に付ける前から旦那様も事を見ていたの」

「……」

「その時はオドオドした感じで、村の人達から暴行を受けてとても痛々しげなものだった。でも、この屋敷に行って、屋敷の人達と会って、ガイアと戦って…そしてさっき『エンペラー』との掛け合いを超えて今…とても変わって、とてもかっこいいわ。誰よりも旦那様が1番かっこいいわ」

さっきのルイスがしたように強く抱きしめた。そして、ルイスは顔を下げ、メリーは顔を上げて見つめ合った。

「ねえ旦那様」

「何だ?」

「旦那様はどうして誰も恨まないの?」

先ほ
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