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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
IFエンド 「フェイト・T・ハラオウン」
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解した私は……自然と涙を流していた。

「今の……本気なんだよね?」
「ああ」
「……私……普通の人間じゃないんだよ?」
「普通とか普通じゃないとかそんなのはどうでもいい。俺にとってフェイトはフェイトさ……他の誰かが何と言おうと俺はお前のことをお前として見続ける。お前のことをずっと守るよ……」

 涙を流す私の頬にショウはそっと手を伸ばし、そのあと私の唇にそっと自分の唇を重ねた。優しい誓いの口づけに私の心は幸福感で満たされる。

『いつか君のことも守れるようになりたい。そうすれば心配はされても大丈夫だって思ってもらえるだろうから』

 不意に蘇るその言葉。闇の書を巡る事件が終わった後にショウが私に口にした言葉だ。あのときはそうなったら私が折れるしかないと言い、それにショウはいつまでも自分が守られる立場かもしれないと言った気がする。
 でも結果的に私が折れることになってしまった。ショウのことは心配するだろうけど、大丈夫だとも思う自分が居るようになってしまったのだから。そもそも、アリシアのクローンとして生まれた私を私として見てくれて愛してくれている人を信じないわけにはいかない。

「……約束だよ?」
「ああ……お前の義母さんからは会う度によろしくねって言われてるし、あの人……プレシアからもお前のことは頼まれてたからな」
「え……?」

 母さんが……ショウに。確かに虚数空間に落ちる前にふたりは何か話していた気がする。でも……

「何で母さんが?」
「さあな……もしかすると俺達がこうなることが分かってたのかもな」

 ショウは私と出会う前に親との別れを経験した。私はあの日、母さんとの別れを経験した。同じ傷を持つだけに他よりも理解し合える関係なのかもしれない。
 母さんの話を出したからか、ショウは今まで胸の内に秘めていたことも話してくれる。母さんがあのとき時間があるのならやり直したいと思っていたように思えること。母さんを助けられなくて私に対して罪悪感を感じていたこと……。

「今にして思えば……もっと早くフェイトに言うべきだった。……ごめん」
「ううん……いいの。今こうして話してくれただけで私は嬉しいし……私はもう母さんに縛られたりしてないから。だからショウも自分の事を責めないで」
「……ありがとうフェイト」
「お礼を言うのは私の方だよ……ありがとう、あの日私を立ち直らせてくれて。私の心の支えになってくれて……私のことを愛してくれて。……まださっきの返事ちゃんとしてなかったよね」

 今度は私が涙を拭いながらショウと頬に手を添える。これから行うのはこれまでのキスとは違うキス。私達のこれからが始まる誓いのキスだ。

「ショウ、私も愛してる。これまでも……そしてこれからも、ずっと。……不束者ですが末永くよ
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