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ウィッチ=クラッシュ!
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第三十話

              第三十話  顔合わせの後で
 雅美はクラウンを見た後で一人家に帰った。そしてまずは部屋に入ったのであった。
「さてと」
「どうだったの?」
「上手くいった?」
 そこに二匹の使い魔がやって来た。ダックスフントのビーナと虎猫のピーコであった。
「無視されたわ」
 雅美は二匹にそう答えた。
「えっ、御主人様を」
「そりゃ酷い」
「別に驚くことはないわよ」
 だが彼女はそう言って二匹を宥めた。
「だって喧嘩を売ったのはこっちよ」
「それはそうだけれど」
「無視するってのは」
「わかってないわね。相手はちゃんとわかってたのよ」
 雅美はそう述べた後で笑ってきた。不敵な笑みであった。
「こっちのことが。だからそれでいいのよ」
「それでいいの?」
「ええ」
 彼女に二匹に述べた。
「それでね。挑戦状は出したから」
「ふうん」
「じゃあこれからってこと?」
「そう、全部これからよ」
 そしてこうも言った。
「わかったわね、それで」
「そうよね。じゃあ」
「問題なしよね」
 二匹はそれを聞いて満足そうに頷いた。それで話がわかったのである。
「面白くなるわよ」
 雅美の笑みが楽しそうなものに変わった。
「これからね」
「無視されたのに?」
「そうよ」
 どうやらそれは気にはしていないようであった。その証拠に平気な顔をしたままだ。
「全然平気」
「そうなの」
「そうよ。見ていらっしゃい」
 これは二匹に言ったのかクラウンに言ったのか。
「絶対に私との勝負になるからね」
「勝つ自信は?」
「ないと思う?」
 これまた不敵な問いであった。
「思わないわよね」
「まあね」
「それじゃあそこまで言うのならね」
「そういうことよ」
 雅美は無視されていてもその裏にあるものをちゃんと読んでいた。そのうえで動きにかかってきているのだ。
 クラウンと彼女の戦いはもうはじまっていた。雅美はそのことを感じて激しい闘争の炎を燃やしているのであった。クラウンのライバルの誕生であった。


第三十話   完


                 2006・11・20



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