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第二話
第二話 ポジション
美奈子は早速塾の皆に話した。以外にもそれは皆に受け入れられた。
「何かトントン拍子ね」
「よきかなよきかな」
いつもとは逆に華奈子が大人しく美奈子が動いていた。こういうこともまた稀なことであった。
「で、楽器とポジションだけれど」
「どうするの?」
美奈子に皆が尋ねる。
「まずは梨花ちゃんがリーダーよね」
「やっぱりそうなるのね」
これは当然と言えば当然だった。梨花が皆の纏め役だからだ。彼女を置いては何も纏まらないのである。
「で、楽器は」
「私ギターがやりたいわ」
梨花が自分から志願してきた。
「ギター?」
「ええ、おうちにお父さんのがあるから」
「そう、それじゃあ決まりね」
「任せて」
「じゃあベースは私ね」
今度は美樹が出て来た。
「美樹ちゃん」
「お母さんも昔趣味でバンドしてたらしくて。家にあるから」
「じゃあお願いできる?」
「ああ、やってみせるよ」
とりあえずギターとベースは決まった。
「で、次は」
「私キーボードやりたいけど」
次に名乗り出たのは春奈であった。
「そういえば春奈ちゃん」
「美奈子ちゃん程じゃないけどピアノできるし」
「そう、ならキーボードも決まりね」
「お願いね」
「うん」
いつもの優しい微笑で頷く。だが肝心なのが決まっていなかった。
「さて、ドラム」
「これがないと」
「私がいるじゃない」
出て来たのは赤音だった。
「赤音ちゃん」
「私だって音楽の成績いいしさ」
「けど」
美奈子は戸惑いを見せる。やはり赤音のドジなのが気になるのだ。
「いいと思うよ、あたしは」
だがここで華奈子が言った。
「赤音ちゃん本当に音楽はいいから」
「そうなの?私聴いたことないから」
「それは聴いてのお楽しみ。まさかドラムなしで他の楽器増やすってのもないでしょ」
「そうね」
「だから赤音ちゃんがドラム、いいわね」
「そうね、何か私赤音ちゃんに酷いこと言ったわね」
「気にしない気にしない」
気のいい赤音が宥める。これで楽器は決まった。だが最後の最後で揉めるのであった。
第二話 完
2006・8・9
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