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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十九話 オブザーバー
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は?いえ、童話ではおがくずも脳になりうるのでした。やはり完全な空洞だとみるべきかもしれませんね]
「分かりましたホントごめんなさい!!?てか俺の脳みそ案山子以下!?」
そんな二人、というかほぼ一人はいつも通りなのでスルーして、ヴィヴィオ達は次の試合を待つリングを見つめる。ふと、コロナが言った。
「クラナ先輩、勝てるよね……?」
「それは大丈夫だよ!クラナ先輩、凄く強いもん!!」
間髪入れずに、リオか答える。アインハルトもまた、同意するように一つうなづいた。
「はい。クラナさんは……強いですから」
あえて口には出さないものの、アインハルトはこの中では特に、本気のクラナの強さを少ないながらも身をもって知っている。あの強さは……勿論、そんなつもりは毛頭ないが、それでも今思い出しても手も足も出ないだろうと確信出来てしまいそうなほどのあの強さは……まさしく別格だ。早々たやすく、彼が敗れるとはどうしても思えない。
「さて、どうかな……?」
しかしそれに意を唱えたのは、以外にもライノだった。
「ライノ先輩……?」
「…………」
腕を組んで、ライノは真剣な表情でリングを見つめていた、いつものおちゃらけたライノとは一線を画したその雰囲気に、少女たちの間の緊張の線が張り詰める。
「クラナはつえぇよ、そりゃ間違いねぇ。彼奴はこの大会に本気だし、俺も、彼奴と戦いてぇ」
むしろ、自分以上に彼と戦いたい選手などこの大会のどこを探しても存在しないだろうとライノは思っていた。それほどの想いが、自分にはある。
「だがな……そりゃ相手も同じだ。本気じゃねぇ奴なんぞ、この大会で勝ち残る気じゃねぇ奴なんぞ、この大会にはいねぇ。居たとしても、そんなもんはエリートクラスに来るまでにとっくの昔に叩き潰されてる。“そのためのノービスクラスだ”」
「「「「…………ッ」」」」
その言葉に、四人が息を詰めた。当然だ。彼は今、少女たちにも暗にこういったのだ。「お前たちはまだ、真剣勝負の舞台に立つための最初の篩を抜けたに過ぎないのだ」と。それは極論だ、間違いなく極論だったが、それでもそれが事実だと感じさせる。それだけの言葉の重みが、ライノの言葉にはあった。
「どこで誰が負けたとしても、おかしくねぇ。それは、お前らこの間しっかり見たろ」
「……はい」
「……うん」
ミウラ・リナルディ。
ミカヤと彼女が相対した時、試合終了のゴングが鳴り響くとき彼女が立っていると確信していた人間が、一体あの広い会場に何人いた?殆どの人間はそうは思っていなかったし、十中八九ミカヤが勝つと思っていたはずだ。なぜならそれが、当たり前の“筈だった”から。
だが現実はどうだ?
最初に致命傷を受け、殆どの人間が予想を確信に変えただろう。やはり、とかんじただろう。間違いな
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