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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#17
MILLENNIUM QUEEN 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE\〜
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《ソラ》と大地に境目は彼女にとって無いのと同じ。
 ソノ極限まで練られた極彩色の波紋が、
滑らかな手を通してオルゴンの躯にゆっくりと注ぎ込まれる。
「クッ……!オ……オオォ……! オオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!」
 悦楽と苦悶が等分で混ざったかのような、
鮮烈で強烈な体感がオルゴンの全身を貫いた。
 波紋の 「達人」 は、その生命の尊さを誰よりも熟知している為、
無益な殺生や苦痛を与えるコトは決してしない。
 ソレが喩え鬼畜の罪人だろうと人間ではなかろうと、
「死の尊厳」 を与え 『穏やかなる』 終局を迎えさせるコトを()とする。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ――――――――――――――――――ッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
 慟哭のような或いは恍惚のような断末魔をあげオルゴンの存在が崩れ始めた。
 紅世の徒本来の生命力に加え、DIOの血により “吸血鬼化” している為、
肉体の再生力は尋常ではないが、女神の光輝(ヒカリ)はスベテの不浄を滅する。
 本来なら、何時でもこの戦形(カタチ)に持っていく事は可能だったエリザベス。
 しかし彼女は 「生命(いのち)」 を侮蔑したオルゴンを戒める為、
そして悪しき力は決して 「正しき力」 に敵わないのだという事実を知らしめる為に、
敢えて 『レギオン』 の攻撃を受けてみせたのだ。
 願わくば、死の間際で己が罪科を悔い、
来世では善き存在に生まれ変われるように。
 最後に一際強く弾け、街路を染める女神の光輝(ひかり)
 名にし負う強者、 “千征令” オルゴンが指一本触れられなかったという畏るべき事実。
 石作りの大地に、ピンヒールの爪先を鳴らして舞い降りる
『最強の波紋使い』
 圧倒的、絶対的、比類無き華麗さを以て煌めくその姿。
「ククク……」
 宝玉のイヤリングが彩るその耳に、悪辣な声が囁いた。
 いきなり、街灯が、樹木が、停止する車が、無人の建物が、
それらの落とす影が太陽の存在を無視して異様に長く伸び、
暗がりの中から更に影が立ち上がり立体となる。
 そして次の瞬間にはもう、悪夢の中にでも誘い込まれたような
光景が眼前に拡がっていた。
「流石だな……」
「千年妃……」
「よもやこの私が……」
「こうも容易に……」
「攻落されるとは……」
「フフフ……」
「いいぞ……」
「ますます……」
「殺したくなってきた……」
 エリザベスの視界全面に、夥しい数のオルゴンが存在()た。
 ある者は木立の上に、ある者は壁面の中に、
またある者はアスファルトより頭部だけを抜き出して、
それぞれ全く同じ声で嗤っている。
 その異様なる光景にさしものエリザベス
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