第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#17
MILLENNIUM QUEEN 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE\〜
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されているかのような、
そうとしか想えない超絶なる現象。
そして女神の威光は、ソレだけに留まらない。
バグォッッ!! グシャッッ!! ズギャァッッ!! ゴシャッッ!!
強固な甲冑と大盾で護られていた先陣の部隊が、
薄っぺらな紙細工の如き脆弱さで次々に罅割れ引き裂かれていく。
破砕の衝撃で吹き飛んだ兜や手甲はそれぞれ眩い光を滞留させて輝いており、
ソレに触れた後方の者もまた同じ末路を辿る。
そしてソレに触れた者もまた、また……
時間にして10秒を待たず、女神を囲んでいた鋼鉄の軍勢は跡形もなく崩壊した。
初めから、何も存在していないかのようだった。
「……」
「む、うぅ……」
その結果を当然として見据えるエリザベスと動揺を隠しきれないオルゴン。
対照的な両者の立場を決定せしめたソノ能力
『銀 色 の 波 紋 疾 走』
特殊な呼吸により通常と 「波長」 を換え、
金属を伝わらせるコトに特化された “波紋法”
才能の在る者でも初心者は繰り出す為に相当の時間と精神集中を要するが、
波紋の 「達人」 であるエリザベスは一瞬で波長を換え放つ事が出来る。
尚、余談では有るが、色彩の違う複数の “波紋” を同時に生み出し、
ソレを 『拡散』 させたり 『融合』 させて放つコトも彼女には可能である。
「決着」 が付いていたのは、オルゴンの思惑とはまるで 『逆』
自在法を行使するでもなく、多刃を撃ち出すでもなく、
既に勝敗の趨勢は明らかだったのだ。
奇しくも徒 達が名付けてしまった、
絶対存在 “千年妃” と『出逢ってしまった』 その時から、
そして彼女の逆鱗に触れてしまったソノ時から。
「!?」
気流しか感じなかった背後の存在にオルゴンが気づいたのは
彼の力量に拠るものではない、陶然とするような滑やかな感触が
外套の両肩に触れたからだ。
眼下で自分に背を向けていた女神は、一切の過程を消し飛ばしてソコに居ない。
知覚できない意識の外から現れたかのような、
或いは全く別の空間から二人目の彼女が姿を見せたとしか想えない状況。
「アナタが、無惨にその生命を奪ったたくさんの人達へ、
心の底から謝りながら、消えて逝きなさい……!」
オルゴンと同様宙に浮き、否、 「立ち」 ながらエリザベスは永別の言葉を紡ぐ。
波紋の熟練者はそのエネルギーで液体を反発させ水面の上に立つ事を可能とするが、
エリザベス程の遣い手となると 「風」 の上にも立つコトが出来る。
(空気中に存在する微細な粒子に波紋を送り込む事によって)
その力は正に全能の域に達していると云っても過言ではなく、
|天空
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