第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#17
MILLENNIUM QUEEN 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE\〜
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。
確かに、敵が狙うならまず負傷している者からだろう、
自分だったらそうする。
卑怯も正当もなく、 『戦い』 とはそうしたモノ。
「 “遠隔操作型” スタンドとは、
「本体」 から離れて遠くへ行ける 『代償』 として、
その視力が著しく劣るモノが多い。
ましてや先刻からのアノ破壊力、
スタンドの眼は全く視えていないのだろう」
「花京院殿の、 “すたんど” がそうでありましたな。
眼が見えない代わりに、伸ばした触手や触脚で
相手の存在を感じ取るとのコトでありましたが」
本来の落ち着きを取り戻したヴィルヘルミナが、
ポルナレフの鍛え抜かれた胸の前に立つ。
「そう、ソレと同じコトで、敵はオレ達の発するなんらかのモノを
「探知」 して攻撃を仕掛けてきていたのだ。
命中率が低かったコト、しかし振り切れなかったコト、
この二つはコレで説明がつく」
「ふむ、しかし一体 『何』 を?
眼は見えず音も聞こえないのでありましたら、
一体どうやって私達の居場所を感知していたのでありますか?」
ポルナレフの上述が理に適っていた所為か、
ヴィルヘルミナは全く普通に問い返していた。
同属のフレイムヘイズへ対するのと同じように。
髪の側面で煌めくティアマトーは非常に面白くない。
「呼吸、体温、床を伝わる振動、色々と考えられるが、
この場合はおそらく “汗” だ」
「汗!?」
意外なる解答に淑女は眼を瞠る。
しかし戦いの場所がこの熱帯であるなら、
これ以上ない位の探査材料だ。
「そう、発汗と同時に細胞から滲み出る“分泌物”
その成分を探知して敵はオレ達の居場所を探っている。
男と女では 『かく』 量が違うからな。
狙いを絞りきれなかったのはソレが理由だ」
なるほど、そういう理由ならひんやりしているこの場所は
「隠れ場所」 として打って付け、そこまで考えて想わず、
ヴィルヘルミナは己の顔に手を当てた。
汗はかいていない、 “そう今は” しかし。
「すぐに此処から離れるのであります!」
回想を拒絶するより速く、ヴィルヘルミナは叫んでいた。
「ん?」
反対にポルナレフは平常な様子で問い返す。
「いいから! すぐにこの部屋から出るのであります!
そこのマットに! 私の 「汗」 が染み込んでいる可能性があるのであります!」
「不可抗力」
焦りか恥ずかしさかその両方か、
はっきりと顔を紅潮させるヴィルヘルミナの進言、
と同時にまた爆音。
「ふぁッ!?」
「おっと」
震動と同時に蹌踉めいた細身の躰をポルナレフが礼を失さずに受け止める。
広い温もりと香水の混じった男の芳香が彼女を包んだ。
「な、なんでありますか?
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