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第十九話

               第十九話   楽器も勝負
 楽器の演奏をはじめる。まずは梨花のギターである。
「おい、あの娘」
「ああ、中々いい演奏してるな」
 皆早速梨花に注目しはじめた。
 そして次はベースである。美樹が前に出る。
 梨花の横で派手に演奏してみせる。跳んだり撥ねたりもしている。
「おっ、いい動き」
「可愛いだけじゃないぞ」
「皆見てるわよ」
 梨花がその様子を見て三人に対して囁いた。
「いい調子になってきたわね」
「じゃあ次は私が」
「ええ、お願い」
「頑張ってね」
 春奈がキーボードを鳴らす。ギター、ベースと違ってしっとりと決めている。それがかえって観客達の耳に残った。
「キーボードもやるな」
「ああ、あの眼鏡の娘な」
「俺何か好みだぜ」
「な、何か恐いような」
「気にしない気にしない」
 そこで赤音が突っ込む。
「人気出てるんだからね」
「そうよ、春奈ちゃん」
 梨花も言う。
「変なファンは魔法でやっつければいいしね」
「そうなの」
「そうそう」
「じゃあラストは私ね」
 最後に赤音が動いた。
「私は魔法使うわよ」
「よしきた」
「見せてもらうわ」
「いっくよ!これが私のドラム!」
 派手に鳴らしはじめる。それと共に光が飛び交う。
「お、おい魔法かよ!」
「光の魔法を使うのかあの娘」
「魔法はそれだけじゃないからね。今度は私が!」
 美樹がベースを鳴らしながら風を放つ。それで光を乗せて回せる。
「今度は風かよ!」
「やるなあの娘達!」
「次は私達よ」
「うん」
 梨花と春奈が頷く。そしてステージになっている地面を派手に動かしてステージを上下させる。
 キーボードから青いシャボンを放つ。それもまた風に乗り光を照らす。演奏と重なり合って観客達を魅了するのであった。
「こりゃ凄いぜ」
「普通のバンドじゃないぞ、これは」
「どうやら成功ね」
 梨花が観客達の反応を見て満足気に笑った。
「上手くいったわよ」
 そして三人に対して言う。彼女達四人もまたこれで名を売ったのであった。


第十九話   完


                 2006・10・10




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