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第十三話
第十三話 切り札は胸に
「はじめまして!」
まずは華奈子が観客に挨拶をする。
「クラウンです!宜しく!」
「おう、小学生か」
「演奏できるのかよ」
観客達はまずそれを心配した。だがそれは杞憂であった。
楽器の演奏は小学生とは思えない程見事なものだた。皆それに度肝を抜かされた。
「おい」
「こんな演奏子供がするのかよ」
「演奏だけじゃねえぜ」
すぐに他のことにも気付く。
「歌も踊りも」
「ああ、あのヴォーカルの二人」
「ありゃ凄いぜ」
「いい調子ね、美奈子」
華奈子は踊り歌いながら美奈子に囁いてきた。
「皆あたし達に釘付けよ」
「ええそうね」
美奈子もそれに頷く。
「いい調子よ。ただ」
「ええ、わかってるわ」
華奈子もそれに応える。
「それじゃあやっぱり」
「ええ、カードは切るわ」
それはもう既に決まっていることであった。
「行くわよ」
美奈子が合図する。
「次の曲は」
「ええ」
華奈子が頷く。
「まずはあたしね」
「お願いできる?」
「最初はやっぱりリズミカルよね」
「サポートは私がするから」
美奈子はそっと魔法の用意をした。華奈子の後ろに回る。
「それで」
「了解」
一曲目が終わった。美奈子はそこで笛を出してきた。
「おっ、あの笛は」
「クラリネットか」
(いくわよ)
(来て)
今度は目で合図をした。それから。
美奈子は演奏と共に笛を鳴らしはじめた。底抜けに明るい曲であった。
「二曲目はこれよ!」
華奈子はここで前に出た。そして元気よく叫ぶ。
「サーフィンUSA!」
「おお!」
「あの曲か!」
一曲目で度肝を抜かれていた観客にもう一撃。それは今はじまろうとしていた。
第十三話 完
2006・9・20
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