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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#16
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE[ 〜Ancient Dragon〜
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いるわけでもないのに
戦わねばならないという 『運命』 の皮肉。
 もっと別の出逢い方ならば、アラストール達と同じように、
共に笑い合えたのだろうか?
 しかし。
「お主、は、 “そうなってしまった以上”
最早存在する事は赦されん……
望もうが望むまいが、生きる(かて)として
常に大量の人間の 「血液」 を必要とするからだ。
そして、お主に血を吸われた人間は、木乃伊(ミイラ)のようになって乾涸らびるか、
理性を失って我が子をも襲う屍生人(ゾンビ)となる。
お主の目的、敬愛する者、ソレはとても大切なモノなのだろうが
ワシは 『人間として』 その所行を見過ごす事は出来んッッ!!」
 男に、否、強大なる紅世の王 “甲鉄竜” イルヤンカに向けて
ジョセフはその巨大な威圧感を上回る 『正義』 の意志で決然と告げた。
 逆水平に構えた指先が、黄金の(くさび) で在るかのように存在を貫く。
「フ、フフフ、面白い……! ならば止めてみるがいい。
いずれにせよアノ方復活の暁には、我等が 『壮 挙(そうきょ)』 実現の為に
莫大な(ニエ)を必要とするからな!」
「そんな事は絶対にさせんッッ!!」
 知らなくて良い事、起きてはいけない事、
ソレがどれだけ気高く崇高で慈愛に充ちたモノであろうとも、
“罪無き者を犠牲にするやり方” は、
ソレが 『正しいと想っている分』
この世のどんな邪悪よりも更に悪い、
卑劣で低劣な 【最悪】 にしかジョセフには映らなかった。
「最早問答無用!! 『歴史』 を(つく)るのは常に 「勝者」 のみ!!
貴様の決意!! 真実か虚実か見定めてくれるッッ!!」
 そう言った刹那、イルヤンカの巨躯が膨張した。
 そう、膨張、その表現こそが最も適切だろう。
 変身でも変貌でもない、ただ存在が根底から覆る覚醒。
 切れ端すらも残らず引き裂かれた衣服の内側から、
最後の鐘を織りなす左の翼がその 『正体』 を現した。
 



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッ!!!!!!



 ソレ、は。
 一言で云うなら、岩の巨竜だった。
 厳密に記せば、鈍色の鱗でビッシリと全身を覆い尽くされ、
更にその上に重厚な甲鎧(こうがい)を纏う、巨大さとは裏腹の微塵の隙間もない
正に鉄壁と呼べる形容(フォルム)
 背にシャナの数百倍は在ろうかという翼を押し開き、
石作りの大地が罅割れる4本の脚には
それぞれ形の整った大爪がギラついている。
 天に屹立する長い首、ソレに匹敵するしなやかな尾。
 その脅嚇、香港
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