二十七話:試練
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わざとニトクリスを怒らせて呼び込み、エリちゃんズとの化学反応を起こさせる。
「あら、その白いの可愛いわね。こう、見た目に反してバイオレンスそうなところが」
「メジェド様の良さがわかるとは、中々に良い目をしておられますね。先程から聞いていましたが、あなたの歌も冥府の亡者のようで大変よろしい」
「分かってるじゃない。あんたのこと気に入らないって思ってたけど、考えを改めるわ。いいわよ、もっといい歌を聞かせてあげるわ」
性質が似ているのか、意気投合しているエリちゃんズとニトクリスを置き、ぐだ男は逃走する。
後で何かを言われようとも、今を生き残ればそれでいいのだ。
『さあ、最後の試練は……借り物競争か』
机の上にいてある4枚の紙を見て判断する。
ここにきて、ようやくまともな物が来たなと思いどれを引こうかと考える。
しかし、どういうわけか全部表にされていることに気づく。
『ラッキーなのかな? 取りあえず何があるのか……』
そこまで言葉にして、あんぐりと口を開ける。
書いてある内容が余りにも、あんまりなものであったために。
【旦那様と呼んでくれる可愛いクラスメイトと鐘】
【自分を息子(異性)として愛してくれる母と婚姻届け】
【特技が暗殺で毒殺な可愛い少女と婚約指輪】
【恋敵として背中を狙ってくる儚げな美女と槍と遺書】
【意中の女性(しっかりと名前を呼びましょう)】
『細かく設定しすぎいッ!?』
明らかに特定の女性にしか行きつかない、お題に白目をむく。
因みに先に来ていたヘラクレスは、銀髪で赤目の少女というお題を引いていた。
その結果として、現在はイリヤを連れていくための切嗣の説得で足止めをされている。
すぐに選べば、リードできるチャンスなのだが、ぐだ男は動けない。
『5択中4択がデッドエンドしかない……人生の墓場エンドが2つに物理エンドが2つ。ははは……殺意を感じる』
乾いた笑い声をあげながら、ここまで来てしまった自分を恨む。
こんなことならば、前の試練で気絶しておくべきだったのだ。
『でも、前に進むしかない……それしかできない』
しかし、諦めるという選択肢は彼の中にはない。
諦めるぐらいならば、最初から挑みなどしない。
何よりも、彼女から応援してもらったのだから。
『いい加減、腹をくくろう』
5枚目の紙を掴み取り、彼女のもとへ走り出す。
そして、書かれている通りにその名を叫ぶ。
『ジャンヌ・オルタッ!!』
「へっ!? な、なによ、いきなり叫んで。恥ずかしいから呼ばないでくれる」
『俺と一緒に来てほしい!』
突如呼ばれ、視線が集まる状況に顔を赤らめて無視しようとするジャンヌ・オルタ。
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