113話 冒険
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「レティスねぇ……」
「神の鳥だね。あまり本気にもしてなかった神話の本に出てきた覚えがあるけど……」
「その本ってどこに?」
「屋敷。あー、無駄だと思うよ。トロデーンに行ったとき言ってなかったけどかろうじて私の部屋に窓から侵入できるぐらいであの屋敷、城ほどまともな形残ってないから……天井も裂けてたし、図書室なんて入れないよ」
「そっか……」
グラッドさんからの情報は、全くもって手がかりを失った私たちにはありがたい。でもさ、そういう伝説の存在に力を借りるってもどこにいるのさ?その伝説の存在がそこまで有名じゃないってことは、いたとしても会うのが難しい所にいるってことじゃないの?
ま、幸いにもルーラやキメラの翼、風の帽子はあっても飛行機なんてないからね。未開の土地も未到達の地もたくさんあるから……いないと言い切れはしないけどさ。魔物や鳥の翼、虫の羽。あぁいうものでしか滞空していられないしね。ルーラとか一瞬浮き上がったと思ったら目も開いていれないほどの強風に晒され、気づいたら目的地だよ。ゴーグルしたら少しは見えるかな……。
「かと言ってそのレティスを探さずに黒犬を追える訳じゃないしな」
「人間に翼はないものね」
「ということは上手いこと行けばあっしたちは空を飛ぶってことでがすか?」
「そうなるね!」
見つからない、見つかりそうにない、現実的じゃない。そんな言葉よりヤンガスの前向きでワクワクする言葉の方が余程いい。やったぁ!と手を取り合って喜んでいたらなんだか生暖かい視線を感じるんだけど!
君たちは大空を飛んでみたくないの?
「……うん、二人が少年のような心を持ってるなって思ってね」
「子供っぽいって?」
「いや、違うよ。魔法があるのに、七賢者がいたのに神の鳥がいないわけないって思いなおせてさ」
エルトの表情が柔らかくなって、見慣れた笑みに変わる。そして私と一緒にトロデーンを駆け回ってのびのびと過ごしていた頃みたいなキラキラした目をしてこう、のたまった。
「地図にはあるけど一切行けない大きな島、あるじゃないか。周りを切り立った崖に囲まれたところ。あそこにどうにかしていけないか調べよう。高台で行きようもないところは世界中に沢山あるけどそんなの調べてられないからね」
「……ここ?」
地図を出して広げてみればエルトは頷く。
「船で行こう、いろんなところを探すつもりでさ。案外見慣れたところの裏側にはなにかあるかもしれないよね?」
「……昔から橋の下に洞窟があるんだって父上に言われてきたけどまさか」
「情報がないなら出るまで冒険!」
「ねぇあと七賢者一人しか生き残ってないんだけど!」
「それが誰かわからないじゃないか……」
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