暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第240話 味方
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でも」

 明日奈はそういうと、そっと 玲奈の体を抱きしめた。
 
「私も、頑張るから。……レイ。きっと、大丈夫だから」
「……うんっ」
「ご飯、行こう」

 玲奈は、明日奈の手をきゅっ、と握り 明日奈の言っている『大丈夫』という言葉を、自分の心の中に込めた。

 そして、玲奈にとってはまだ、苦痛とも言える食卓へと促した。
 傷も決して浅くない状態だが、何も食べない、と言うのは、玲奈の体にとってもよくない。ダイエット、と言えば有り得るかもしれないが、そんなの気にする様な体形ではないのは、言わずもがなだ。(勿論、人前では言わないけど)
 後、折角 美味しい料理を用意をしてくれた家政婦の佐田にも悪いから。

 玲奈自身も、よく判ってるつもりだ。
 
 このまま、意地を張って食卓に着かない、という選択も出来なくはない。今、母親の顔を見る事に抵抗を感じているのも当然だ。
 でも、料理を無駄にしてしまう事もあるが、何よりも姉に迷惑をかける訳にはいかないから。……傍にいるだけで、心を落ち着かせる事が出来た。そんな大切な姉、明日奈。少しでも、母の矛先が自分自身に向くのなら、……そんな単純なことではないが、それでも、姉にとっての負担を軽くさせる事が出来るかもしれないから。

 だから、玲奈は直ぐに歩き始めた。重い足取りではあるが、決して止まらず、躊躇わず、……先に母が着席しているであろうダイニングルームへ。














〜竜崎家〜




 玲奈達が目を覚ました1時間後。
 リュウキ――隼人も目を覚まし、現実へと戻ってきていた。ゆっくりと目を開けると、ベッドの傍に備え付けられているリモコンに手を伸ばし、人差し指でボタンを押した。

 それは、リュウキから隼人へと。……現実世界へ帰ってきた事を知らせる為のもの。

 記憶が戻ったあの日から、これは習慣にしているのだ。
 ずっと心配をかけ続けてきた、爺やに知らせる為に。

「ん……」

 ボタンを押した後は、ゆっくりと体を起こした。
 軽く自分自身の体に異常がないか、確認したところで照明を着け、自分の作業机のPCの電源を入れた。

「26層と25層の攻略状況……、シンカーさんとユリエールさんがしている、MMOトゥディにも更新されていた筈、だったな」

 情報に関しても、豊富に備えている隼人であるが、最近は最前線から離れている事もあって、やはり 情報を生業としているプレイヤーたちには劣ってしまう。だからこそ、早くに知るには 情報屋(アルゴ)に確認するのが手っ取り早い。
 その貰った情報と、大手のサイトでの情報を合わせ、更に深くまで知る事。期間は短いができる最善の事をするつもりだった。

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