暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO日向ネジ短篇
【籠から開放されし忘却の鳥】
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
留めたっつっても額の呪印は消えてんだから、ネジはホントに一度死んじまってんだ。記憶を失ったのは呪印が消えたからっつうのは、あながち無関係じゃないのかもしれねぇが……、視力自体失ってなくても、白眼の力は封じられちまったわけだから白眼使いとしては二度とやっていけない。記憶だっていつ戻るか……、下手すりゃ戻らないかもしれねぇからな」

「ズリぃんだぜアイツ、記憶無ぇからってオレに笑顔ばっか向けてきて…。ヒナタの言い方真似してオレの事、『ナルトくん』なんて呼びやがるし……」

「記憶を失った事で、自分を取り繕う必要が無くなったからね。仕来りの厳しい旧家に生まれてなければ、普段から笑顔でいられた人なのかもしれないけど」

「...そんなに嫌か? 今のあいつの笑顔。俺はキライじゃねぇけどな。記憶失ってからよく笑うようになったっつーのは確かに笑えねぇ話ではあるが、あいつ“らしく”はなくても色んなシガラミから開放された今のネジは寧ろ、清々しいくらいだぜ」


 シカマルに次いで、サイが付け加える。

「彼って何ていうか、笑顔がちょっと不器用で笑った時“したり顔”になり易いみたいだったけど、今の彼は誰かれ構わず優しい微笑みを振りまいてるから、そんな心を許しっぱなしな彼が別の意味で心配なんじゃないのかい?」

「あぁ……まぁ、実はそうなんだってばよ。親しい仲間とかはともかく、他に色んな見舞い客が後を絶たねぇし、なに勘違いしてんだかいきなし告るヤツもいれば、勝手に病室から連れ出そうとするヤツまでいるんだぜッ?」

「近寄り難いイメージから一気に、“病弱美人”扱いみてぇなもんだな。会う奴みんなにキラースマイルかましてその気にさせるわ、後遺症の発作で面会謝絶の時は同情誘って儚いイメージが独り歩きしてるみてぇだぜ。...実際、後遺症の症状が重いとほとんど寝たきり状態だからな」

「そーなんだってばよ! 親しい仲間以外面会謝絶にしようとしてもアイツ自身、割と体調良いと“前にお見舞い物持って来てくれた人達にお礼言いたい”とか言い出すし、そういう事すっと相手付け上がるからダメだっつったら寂しそうな顔するんだぜ?! 今のアイツにとっちゃ、記憶失くす前の仲間と失くした後の初対面のヤツらとの区別がついてねーんだってばよッ」

「籠から開放されたはずなのに、いざ籠を出たら飛べなくなっていた鳥さんを守るのは、君の役目だと思うよ。元はナルトのお陰で彼は闇の中から救われたそうだし、自分から籠の扉を開けて最終的に従妹と君を守って撃ち落とされたんだから、介護してあげなくてどうするんだいって話だよ。病弱な鳥さんは自分の美しさを自覚してないんだ…、また誰かの“籠の鳥”にされてしまう前に、守ってあげるべきだね」

「メンドくせぇサイの言い回しはともかく、ネジの記憶がいつ戻る
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ