19話目 湖岸の戦場(中)
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して二重に耐性をもっているのだが、ジュカインの攻撃力の高さと、ビビヨンの元々の打たれ弱さのせいで、タイプ相性の有利さなどもはや消えていた。
「やべえ、ビビ! 水の方に逃げろ!」
ジュカインが砂浜に着地している隙に、ビビヨンは湖の空中へと逃げた。
水上のビビヨンをジュカインは追わず、少し試合の流れが止まった。
ここで、エレナがグレイに声をかけてくる。
「グレイ、さっきのリザードンとチルタリスは、アタシにとっては4番手と3番手なの! そしてジュカインはアタシの2番手よ! どう? 格が違うでしょ?」
グレイも言葉を返す。
「何番手だとか、格だとか、そんなの関係なく1体のポケモンとして、ちゃんと向き合った方がいいんじゃないか?」
「もちろん普段はそうしているわ。でも今は勝負中でしょ。強さを示す場では、強さをもつ者に価値があるの」
エレナの冷たい返答を聞いてグレイは思う。
(『強さを示す場では、強さをもつ者に価値がある』……? つまり、ポケモンバトルは強さを示す場所って訳か? もちろん正しい事なんだが……なんか「強さ」っていう基準に執着し過ぎてる感じだよな……強くなることにとらわれてるって感じだ)
ポケモンバトルとは、ポケモンの強さを示す場であると同時に、トレーナーとポケモンの絆を深める儀式でもある。
それを完全に忘れているエレナの目を覚まさせる。そのグレイの決意はますます固くなった。
「ビビ、攻撃開始!」
グレイが攻撃指示を出したことで、再び試合が動き出す。
ビビヨンが“むしのさざめき”を放ち、ジュカインが“タネマシンガン”を放つ。先ほどと同じく、直接ぶつかり合えば“タネマシンガン”の方が勝つが、ビビヨンは激しく動き周ることで様々な角度から攻撃し、ジュカインに少しずつ攻撃を当てていく。
その状況を見て、エレナが口を開く。
「アタシのジュカインはまだ本気じゃないわよ。ジュカイン、“こうそくいどう”!」
ジュカインは、自身の素早さを大幅に上昇させる技“こうそくいどう”を発動し、これまでとは比べ物にならない速さで動き始める。
ジュカインは素早い動きでビビヨンの攻撃を避けながら、“タネマシンガン”を放つ。さらに、砂浜を素早く大きく移動し、ビビヨンと同じように角度をつけて攻撃してくる。
これにより、遠距離攻撃の戦いはビビヨンに絶望的な状況となった。
「ビビ、もうダメだ! このままじゃ勝てん! なんとか頑張って近づいてくれ! オレは何もアイデア無いから近づき方もお前に任せた!」
相変わらずのグダグダなグレイの指示に対し、ビビヨンは『いつもの事だよね』と言いたげな視線を返した。
そんなグダグダなグレイの指示に、エレナが反応する。
「グレイ、そんな適当な指示でアタシの2番手に対抗できると思っている
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