19話目 湖岸の戦場(中)
[5/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「リザードン、“えんまく”よ!」
エレナの指示で、リザードンは“えんまく”を発動し、自分の周りに煙幕をばらまいて視界を悪くした。
リザードンは、ばらまいた煙の後ろに隠れながら“エアスラッシュ”を放ち続ける。
グレイはビビヨンに声をかける。
「どうなんだ、ビビ? 相手は見えるのか?」
グレイの問いに対し、ビビヨンは『余裕ですぜ隊長』と言いたげな視線とドヤ顔を返してきた。
ビビヨンのもつ複眼の能力は非常に高く、ビビヨンの視界は煙に隠れたリザードンの姿を捉えていた。ビビヨンは先ほどと変わらず“サイケこうせん”を煙に隠れるリザードンに放ち続ける。
「そうだビビ、相手に近づいたらどうだ? お前も煙の中に入ってこいよ」
グレイが面白そうにビビヨンにそう声をかけた。
ビビヨンはグレイのアイデアを受け、リザードンに近づき、煙に隠れた。
これにより、ビビヨンとリザードンによる、煙が漂う空中での撃ち合いが始まった。
しかし、煙を透かして見えるビビヨンと煙に視界を奪われるリザードンでは、全く勝負にならない。さらに、ビビヨンが煙に隠れて姿を消すことにより、エレナはリザードンに的確な指示を出せずにいた。
状況は圧倒的にビビヨンが有利であった。リザードンが一方的にダメージを受けていく。
「くっ、リザードン! 煙から離れて戦って!」
エレナが指示し、リザードンが煙の漂う宙域から脱出する。しかし、ビビヨンはそのまま煙の宙域に居座って戦い続ける。
先ほど“えんまく”を使った直後のリザードンは、煙の後ろに隠れながら戦っていた。しかし、煙を透かして見えるビビヨンは完全に煙の中を飛びながら戦っている。
エレナとリザードンは、煙の中を移動し続けるビビヨンの位置が捉えられない。それは攻撃を当てられない事と同時に、ビビヨンの攻撃がどこから発射されるか予測できない事も意味していた。
煙から離れたリザードンであったが、一方的にダメージを受けていく状況に変化はなかった。
“えんまく”で姿を隠して戦うというエレナの作戦は、結果としては悪手であり、ビビヨンの要塞を築いただけであった。
「リザードン、回避に徹して! 煙が晴れるまで耐えるのよ!」
リザードンは“エアスラッシュ”をやめて、回避に神経を集中させた。これにより被弾は少なくなったが、それでも一方的にダメージを受けていく状況には変わりない。
しばらく経ち、ビビヨンが隠れる煙が晴れてきた頃、エレナは再びリザードンに攻撃指示を出した。
これにより、ビビヨンとリザードンの遠距離攻撃の戦いが再開された。
しかし、この戦いは元々、麻痺していたリザードンが被弾が多く不利であるという状況であり、それは先ほどと全く変わらなかった。リザードンの方がやはり速いペースでダメージを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ