19話目 湖岸の戦場(中)
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て被弾を減らしている。
特性による恩恵と、トレーナーの指示。両者ともそれぞれ被弾を減らす手段があり、それによって互角の戦いが繰り広げられていた。
ビビヨンとチルタリスによる遠距離攻撃の撃ち合いがしばらく続いた。
ビビヨンは、相手の攻撃をギリギリで避けた時や、自分の攻撃を当てた時など、いちいちグレイにドヤ顔でアピールしてくる。グレイもそれにいちいち反応してやる。さらにビビヨンは、旅の途中にポケモンサーカス団でバイトした時に習得した「虹色の“サイケこうせん”」を攻撃に織り交ぜたりしていた。
ちなみに「虹色の“サイケこうせん”」の効果は、見た目がほんの少しキレイという以外に通常の“サイケこうせん”との違いはない。また、そもそも通常の“サイケこうせん”も虹色なのではないか? と指摘する者も多い。
このようにグレイとビビヨンは、撃ち合いの中でもアイコンタクトで会話し、バトルを楽しんでいた。グレイの手持ちポケモンの中でも、圧倒的にグレイと過ごした時間が長いビビヨンにしかできない事である。
遠距離攻撃の撃ち合いは互角で、ビビヨンとチルタリスはお互い同じくらいのダメージを与え合っていた。
元々チルタリスは、ハピナスの攻撃でダメージが溜っているので、このまま互角に戦えば先に倒れるのはチルタリスである。
そんな中、勝負の流れに変化があった。エレナが、チルタリスをビビヨンに必要以上に近づけてくるのである。
そして、エレナが新たな攻撃を指示する。
「今よ! “みだれづき”!」
「やべえ! 避けろビビヨン!」
突如エレナは接近戦をしかけてきた。チルタリスのクチバシから超高威力の連撃技が放たれたが、ビビヨンはギリギリのところで避けた。ビビヨンがグレイにドヤ顔を見せる。
グレイは『今はドヤ顔してる場合じゃねーだろ……』と思うが、ドヤ顔しながらでも“サイケこうせん”をしっかり放っているビビヨンを見て、つい許してしまう。
エレナはなお接近戦をしかけてくる。ビビヨンもある程度ダメージを受けており、“みだれづき”の連撃をまともに受ければ、あっという間に倒されてしまうだろう。
(姐さんを倒したエレナの方が有利なんだから、そのまま互角に撃ち合うだけでもオレの方が不利な状況で、あえてリスクをとってくるとはな……)
攻撃的なエレナの姿勢を見てグレイはそう思った。
エレナの、圧倒的にグレイを上回って勝ちたいという考えが、なんとなくグレイに伝わってきた。
(なめんなよエレナ! 姐さんを倒されたとは言え、オレはそんなに簡単に負けてやるつもりはねえぞ!)
「ビビ、混乱! やれ!」
ビビヨンが、相手を混乱させる技“ちょうおんぱ”を放つが、チルタリスの“みだれづき”で防がれる。しかし、グレイが指示の最後に付け足した「やれ!」は、それを続
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