18話目 湖岸の戦場(前)
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(えっ!?)
エレナは、ハピナスがリザードンを殴り飛ばす光景を見て、思わず目を見開いた。ハピナスは力が極端に弱いポケモンというエレナの知識とは全く異なる光景である。
「姐さん! もう1発だ!」
「リザードン、空に逃げて! “ドラゴンクロー”!」
再び拳に力を入れ始めたハピナスを見て、エレナはリザードンに逃げるよう指示した。ハピナスは空に逃げるリザードンに対し、拳を突き出した体勢で跳躍して飛び出し、再び殴りつけた。ハピナスの“メガトンパンチ”とリザードンの“ドラゴンクロー”がぶつかり合い、相殺された。
リザードンは空中に逃げ去り、ハピナスは砂浜に着地した。
思わずエレナはグレイに訊ねる。
「なんなの!? アナタのハピナス……本当にハピナスなの?」
エレナの問いに対し、グレイが面白そうに答える。
「本当にハピナスかどうかなんて、どうでもいいだろ? こいつは正真正銘のオレのポケモン、『姐さん』さ!」
グレイの返答は、今のエレナにとって理解できないものであった。
(ポケモンは、長所を伸ばして長所で戦うものよ。力が極端に弱い種類のポケモンの力を鍛えたって時間の無駄だわ。アタシなら、絶対にそんな育て方はしないわね! そんなことでは勝てないもの!)
『そんなことでは勝てない』と無意識に思ったエレナ。勝ちたい相手は、今目の前にいるグレイの事ではなかった。
「姐さん! もう1発殴ってやれ!」
グレイの指示で、ハピナスは助走をつけてリザードンの飛ぶ方向へ走ってくる。
「リザードン、水の上を飛んで! 遠距離から“エアスラッシュ”!」
指示を受け、リザードンは砂浜から湖の方へ移動し、水上を飛んで“エアスラッシュ”を放つ。
ハピナスは湖の水に阻まれ、ジャンプして近づくことができない。
グレイが声をあげる。
「水の上に逃げるなんて卑怯じゃねえか!?」
「アナタが選んだ戦場でしょう? 何があってもアナタの責任よ」
エレナは冷たく言い返した。
(そう、どんな状況も有効活用しなければ、シャルラに勝つなんてできる訳がない! それに、ハピナスの力が異常に強いからって、それがどうかしたの? その程度で動揺していたら、シャルラのエレザードを倒すなんてできないの!)
リザードンが水上から“エアスラッシュ”で空気の刃を飛ばしてハピナスを攻撃しようとする。しかし、砂浜にいるハピナスは放たれた空気の刃をうまく避けていき、なかなかダメージを受けない。
「リザードン、“はじけるほのお”で攻撃!」
今度、リザードンは“はじけるほのお”によって炎を飛ばして攻撃し始めた。
ハピナスは迫る炎を避けるが、炎は砂浜に着弾すると同時にあらゆる方向に広く飛び散った。飛び散った炎まで全て避けることはできないハピナスは、ほんの少しずつで
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