第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#15
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREZ 〜Trust Ambivalent〜
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「ハアアアアアァァァァァァァ―――――――ッッ!!」
重なる声と同時に繰り出した乱撃と炎弾により、
黄色の散弾は掠る事もなく弾かれ焼き散らされる。
(何でも)
(奇を衒えば良いってもんじゃ)
心中で言葉を交わす二人の先、いつのまにか幹の内から姿を現していたティリエルが、
台座上の蔓の上で不敵な微笑を浮かべていた。
その口唇から紡がれる、華麗と戦慄を併せ持った深名。
『黄 蓮 参 拾 参 式 想 滅 焔 儀』
端整な胸元で肘を支点に腕を交差させ、
花片の装飾で彩られた指先に結ばれる印。
「 “ゾディアック!?” 」
「莫迦な!!」
フレイムヘイズ専用の焔儀大系領域を口にした紅世の少女へ、
王と契約者が同時に驚愕を示す。
先刻の波状は完全なる陽動、ソラトを先陣に立たせるコトで大剣の殺傷力を
強烈に意識させ、看破を挫くと同時に焔儀を練る時間も稼ぐ巧妙な戦術。
その真の狙いを完遂させたティリエルが勝利を確信した双眸で二人を射抜く。
幻煌殲滅。葬 棘 の惨華。
“愛染” の流式
『亡 き 聖 女 の 告 死 庭 園!!!!!!』
流式者名− “愛染他” ティリエル
破壊力−A+++ スピード−A+++ 射程距離−AA+++
持続力−C 精密動作性−D 成長性−A
ズンッ! と大気の密度が一様に増幅したかのような感覚。
交差した腕を左右に展開したティリエルの背後、
折り重なり絡み合って大樹を形成していた蔓が一斉に解れ、
そのスベテが禍々しい棘を連ねる “イバラ” と化し周囲数百メートルを
昏き影と共に覆い尽くした。
数多在る “ゾディアック” の中でも物質の変化、具現化を主体とする焔儀領域。
紅世の徒本来の属性、炎の形容を執らない術式で在る故に
最も技巧を要するが、ソレを王でもない若き徒が苦もなく繰り出した事実は
深遠なる炎の魔神、アラストールをしてその心胆を寒からしめるに充分。
黄霞舞い散るシンガポールの街並みを扇状に包囲するイバラの大群は、
呻くように棘をザワめかせて蠢き発動の瞬間を待つ。
黒衣の能力でただ宙に浮かんでいるだけの承太郎とシャナは、最早完全に籠の鳥。
如何なる術を用いようが回避は不可能、ソレを見切っているティリエルは
すぐに式を発動させず余裕を以て力を溜める。
「クッ……!」
眼前に拡がる絶望的な状況を如何に打破するかを思考するより速く、
ソレよりも重要なコトを実行するべく承太郎はスタンドの手でシャナの黒衣を掴む。
しかしすぐそれ以上に強い力が、風に靡く学ランの襟を握り返してきた。
「スタープラチナで
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