第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#15
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREZ 〜Trust Ambivalent〜
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能力に拠るモノならば、最低でも十回以上は復活出来ると考えた方が良いな」
「そうね。そしてソレを実行するのに意味はない、っていうか不可能よ」
総合力では僅かに自分達が上回るが、
そんなものは気休めにもならないという事実を二人は再確認する。
故に出る結論は。
「よし、行け!」
「さぁ、行って!」
重なる、二つの言葉。
詳細は不明だが、何れにしてもその供給源を元から断つという分離行動。
しかし戦いながらそんなコトは不可能である為、
殿 として一人が此処に残らなくてはならない。
言う間でもなく、ソレは差し迫った状況を更に抜き差しならない
窮地へと追い込む自殺行為。
だが微塵の躊躇もなく、承太郎もシャナも
『自分が』 この場所に留まる事を決定した。
「……」
「私の方が、速かった」
眼で威圧する承太郎を後目に、シャナは軽口のように微笑を浮かべてみせる。
「フザけんな。遊びじゃあねーんだぞ。
一人でアイツ等とヤり合うのが、どんだけヤベェか解ってんのか?」
「うるさいうるさいうるさい!
そんな奴等と一人でヤり合おうとしてたのはどこのバカよ!」
「あの、もしもし?」
何故か眼下で口喧嘩を始めた二人に、
頭上のティリエルが後頭部に汗玉を浮かべ問いかける。
「さっき、 “何でも言う事聞く” って言ったわよね?
じゃあ今ここで使う、おまえは行って」
「な!? 汚ねぇぞテメー!」
「うるさいうるさいうるさい! 男ならグチャグチャ言うな!」
不承不承ながらも、取りあえずは決着のついた問答。
黒衣の裡から大刀を抜き出したシャナが、
ソレを正眼に構えて前に出る。
「おい?」
「ん!?」
まだ何か言う気かとムッとした表情で振り向くシャナの瞳を、
一条の煌めきが充たした。
反射的に差し出した左手にズシリと響く金属の質感。
学帽と同様、承太郎のトレード・マークである襟元の鎖が
今シャナの手の中に在った。
「もっとけ。なくすなよ。曾祖母サンの造った特注品で、
同じモンはどこにもねーからな」
剣呑な瞳でそう告げる承太郎を、シャナは眼をパチクリさせて見つめる。
そんな大事なモノを、どうして?
浮かぶ疑問をすぐに、それ以上の歓喜が押し流した。
「5つ全部、すぐにブッ潰して帰ってくる。
それまで死ぬな。
まだDIOの貌に、一発もブチ込んでねーんだからよ」
「うん!」
時間的にも空間的にも、そんな容易い所行でない事は解っている。
行く先には間違いなく他の徒が網を張っているだろうし、
あの光の柱自体にどんな罠が組み込まれているか知れない。
でもそれでも、 “それでも”
湧き立つ期待と高揚にシャナは自分を抑えられなくなった。
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