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NARUTO日向ネジ短篇
【向日葵畑に還る】
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せんけどね。

…あ、ヒナタ様。この事はどうか、ナルトには言わないでおいて下さいね。あいつはすぐ、調子に乗りますから。何よりあいつ自身、忘れているかもしれませんしね』


「───忘れるわけ、ねぇってばよ。あの時のお前の、胸がつぶれるような怒りと悲しみを向けてきたその瞳の中に、小さな子供が独りぼっちで泣いてる姿が見えたんだ。……ほっとけなかった。オレもずっと、独りだったから」

 だから無理矢理、約束したんだ。オレが火影になって、日向を変えてやるって。

なのに……約束果たす前に、ヒナタとオレを守って、オレの腕の中で、死んじまいやがった。最期、微かに笑ってた。満足そうな、穏やかな顔して────ふざけんなよ、オレはまだ、火影にもなってねぇのに。

どうして、オレの為にそこまで…って聞いた時、『お前に……天才だと、言われたからだ』って、言ってたけど……それってオレがネジに、"天才だ"と言ったから、死んじまったみたいじゃねぇか。


 …あのね、ナルト君。ネジ兄さんは、こんな事も言ってた。


『俺は───日向としては才があったかもしれない。けれどそれ以外、とるに足らない凡小に過ぎないんです。それでも……あいつは無邪気に、俺を"天才だ"と言ってくれる。俺より天才的な存在など、幾らでも居るというのに。
 
だからせめて俺は、ナルトが認めてくれた"天才"でいようと思うんです。その力が、いつの時も、大切な存在を守れるように』



 愛おしげに一輪の向日葵に触れながら、ネジ兄さんはそう言っていた。───だからこそ、命をなげうってまでナルト君を守ったんだよ。

 
 ……違う。ネジは本当はオレじゃなくて、先にオレを守ろうとした、ヒナタを守りたかったんだ。


 ナルト君と私は、ネジ兄さんに大切に想われていた。その事実は、変わらないよ。

いつだってネジ兄さんは、私達の中に居てくれる。そんな兄さんを心配させるより、安心させてあげよう。ネジ兄さんが私達を繋げてくれた、これからの未来のために。


 そう…だよな。オレはこの向日葵畑に……ネジに誓う。ぜってぇお前の分も、オレ達は幸せになるからな。見ててくれよ、ネジ。



《終》



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