sts 36 「親として」
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ングハートの先端部に集束させる。
『まさか壁抜き!? でもそんな馬鹿げたことが……ぁ』
私が以前壁抜きをした際の記録でも見てことがあったのか、表に現れていた不安はさらに大きくなり戦闘機人は顔を引き攣り始める。
レイジングハートから戦闘機人までの通路に味方がいないことの確認が入るのと彼女はファイアリングのロックを解除した。それ同時に私は残っていたカートリッジ5発を全てリロードし、すぐさま新しいマガジンを装填してさらに2発リロード。
「ディバイィィン……バスタァァァアッ!」
圧倒的な魔力の奔流が解き放たれ、ゆりかごの壁を次々と貫いていく。一瞬にも等しい時間で戦闘機人の居る最深部へ到達し、悲鳴を上げて逃げようとしていた戦闘機人を飲み込んだ。
必殺の一撃によって目的通り戦闘機人を戦闘不能にすることは出来たが、私とレイジングハートはブラスター3を使用しての集束砲撃によってダメージを負ってしまう。ところどころから煙が出たり、焦げてしまっているのがその証拠だ。
ただ私にとってはここからが始まりと言える。まだヴィヴィオを取り戻せてはいないのだから。
急にうめき声が聞こえたかと思うと、ヴィヴィオが頭を両手で押さえながら苦しんでいた。ショウくんも状態の変化を感じ取ったのか動きを止めている。私は反射的に彼女の名前を呼びながら近づいていく。
「ヴィヴィオ、ヴィヴィオ!」
「……なのはママ……ダメ、逃げて!」
私に向かって繰り出される渾身の一撃。それはヴィヴィオの意思が伴っていないというのに確かな威力が籠っていた。
反射的にレイジングハートで受け止めようとした矢先、黒い風が私を抱きかかえるように舞うとヴィヴィオの一撃を受け止める。が、完全に殺すことは出来ず後退させられた。
「……ショウくん」
「パパ……ごめんなさい。……お願い、ふたりとも逃げて」
「逃げる? 違うだろ。お前も一緒に帰るんだ」
「ダメなの……ヴィヴィオもう帰れないの」
泣きながら呟かれた言葉の意味を私達はすぐに理解させられる。
ヴィヴィオが戦意を喪失したことによって聖王のゆりかごが自動防衛モードを起動。それによって彼女は自分の意思とは関係なく戦うことを余儀なくされたらしい。また自動機械がゆりかご内部に続々と投入され始めたようだ。
涙を流しながらも高速移動魔法を使用して襲い掛かってくるヴィヴィオをショウくんが率先して受け止める。だが彼の体も私と同様にガタが来ているにダメージを隠し切れなくなってきている。
そのためヴィヴィオが砲撃体勢を入ろうとした矢先、私はショウくんの元へ駆けつけ砲撃をぶつけることで相殺しようとした。
「ヴィヴィオ、いますぐ助けるから!」
「ダメなの、止められない!」
「ダメ……じゃない!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ