112話 安息
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て」
「あー、ハイハイ」
エルト、雑っ。確かにゼシカ、綺麗だもんねぇ。髪の毛を下ろした姿はククール同様見慣れないから新鮮でさ、大人っぽくて色っぽいよね。
ところで、なんで私たち大部屋なの?この宿いっぱい
ではなかったよね?
「死線を乗り越えた後は仲間といるものだって……」
「あぁ、気を使われちゃったか……」
なるほどといえばなるほどかなぁ。私は今更気にしないし、ゼシカがいいならそれでいいかな。気にしない?うん、ならいいよね。
にっしてもこの部屋やばいよ。右からワイルドイケメン、素朴系イケメン、クールイケメン、エレガント美女だよ。顔面偏差値が高いね。私みたいな普通の顔をした人間がいていいのやら。そろいもそろってお風呂上がりで良さが割り増しだし。
まー、顔についてはどうしようもない。美男美女な父上や母上の血を引いていないんだからどうもこうもないよ。中性的ってことしか特徴ないし。
さてさて、私も剣の手入れをしよっかな。
その前に着ていた服が完全におじゃんになったから明日からの新しい服を選ばないと……。下に着てた鎖帷子は換えがあるからいいんだけど、同じ服なんて持ってないからなぁ。
動きやすくて、丈夫。これに限る。
ばさばさばさっと服を取り出し、礼服をガサガサ片付けて、パジャマみたいなのもさっさと回収、ローブ系も後衛じゃあるまいしと片付けて睨む。
「あら、服選び?」
「そう。明日着る服どうしようかってね……」
礼服を片付けても残ったのはそこはかとなく貴族感ある奴ばっかり。うーん……動きにくいし引っかかるから着たくないんだけどなぁ……。
「うわ、リボンにタイツ……」
「エルト、こんなので戦ったら服が裂けると思うんだよ私は」
「だろうね」
戦闘用に作られたわけじゃあるまいし、お貴族様のスタイルで我ながらアグレッシブな動きをしたらタイツがビリッ、インナーがバリッ。簡単に想像がつくことじゃないか。
「一着だけ戦闘に使えるやつ持ってるんだけど、分類が礼服なんだよねぇ」
「……まぁ、着て戦えないよりはいいんじゃないかな、後で買うにしても明日はそれを着たら?」
「だよねぇ、ありがとう」
うーん。その礼服、剣士としての礼服なんだよ。デザインが少しばかりククールに似ててさ、こんなに月のようにキラキラ輝くイケメンと並んだら恥ずかしくなっちゃうさ。かたやレイピアの騎士、かたや大剣ぶん回しじゃあさ。
まぁ、仕方ないか……。
ぽいっと取り出した服をサイドテーブルに置いてベッドにダイブ。剣の手入れを手早く、でも丁寧に済ませると私はさっさと寝た。
もし起きてたらエルトがまた怖い顔をすると思ったからね……。
・・・・
・・・
・・
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