精神の奥底
61 今、自分にできること
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ワークシステムのルールは変えることができない。だからネットワークを介さずに直接、木場のPCに侵入します」
一同は目を丸くして顔を合わせた。
しかしその中でも祐一朗はいち早くリサの表示していたWAXAニホン支部の見取り図からその作戦の全容を察し、思わず席から立ち上がった。
「まさか留置所を経由して物理的なネットワークを!?」
「Exactly(正解)。さすが光博士。幸いなことに木場が課長になったことで課長室は留置所の近くに移動しました。恐らくは容疑者が逃げ出した場合を想定して監視カメラや防犯設備がしっかりしているからでしょう。自分の部屋に勝手に入ろうとするものはすぐに発見できる」
「じゃあ、直接踏み込んだらすぐバレちゃうんじゃ…ないっすか?」
「直接、とは言いましたが、別にズカズカとドアを蹴破って課長室に入ろうって言ってるわけじゃないですよ。ただWAXAのネットワークシステムの使わず、課長室に直接接続できる新しいネットワークルートを構築するんです」
『そうか!LANや中継器をバイパスして、そこまで直通のパスを作れば』
『留置所の周辺は監視されていて危ないとしても、留置所の中に何らかの方法で中継器を設置できれば』
「なるほど、その途中に留置所を経由させれば、グレーテルの協力も仰げるというわけだ」
「えっ?伊集院さんも分かっちゃった感じですか?」
リサの考えた作戦を笹塚1人だけが理解できていなかった。
必死に周囲に目で「本当は分かってないんだろ?オレだけじゃないって言ってくれよ」とでも言わんばかりの表情を振り撒きながら、白い目で流され続けて最終的にロックマンと目が合った。
「…エヘッ」
しかしロックマンからは「ゴメン、分かちゃった(*ノω・*)テヘ」とでも言わんばかりの苦笑いで返され、悔しそうな表情を浮かべながら肩を落とした。
それを見たリサは少し可哀想に感じて、早々に種明かしを始めた。
さっきの横と縦の関係図の頂点、木場のPCに見立てられたものの横に新たなPCが現れるとそれが緑色のラインで繋がった。
更には3D表示された見取り図にも緑色のラインが星座のように繋がっていき、最終的にこのヨイリーの研究室と課長室が1本の線で繋がる。
これを見た笹塚はいい加減に気づいた。
「えっ…まさか…じゃあ、課長室とここを直接繋ぐネットワークをイチから作るんですか?」
「そういうことです。私一人じゃ、どう足掻いても設置には3,4時間は掛かるでしょう。でも幸い、ネットナビの御二方を除けば、私たちは4人います。急げば30分もしないで完成すると思いますよ?」
リサの考えてた構想はこうだ。
上下関係のルールが変更できないネットワークでは勝ち目がない。
だからそれを使うこと無く、課長室と研究室を繋ぐ新たなネットワークを
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